2012年5月29日火曜日

迷走し続けてました。。。

悩みすぎてそのまま逃亡しそうになるくらい迷走しておりました・・・

クランク芯出し終わればあと2日ほどで完成が見えている56FL.

ですが・・・

 元々このスプロケットシャフトがかなりフライホイールに対してかなり斜めに組まれており・・・

何度組みなおしても同じ方向に斜め向く癖ついてしまってました。

ちょうどKEYに対して反対側が高くなるよう斜め向きます。

勝手な想像ですがここのごっついKEYがきちんとハマってない状態で無理やり締め付けられてたのでしょううか・・・

そんな感じでフライホイールのテーパー穴が完全に狂いまくってました。

さてどうしましょうと・・・

ひたすら悩みつづけていました。
これ解決しないとクランク組めません。


ただでさえ少ない脳みそと経験をフル回転させありとあらゆる手段で何度も調整繰り返し・・・

シャフトのナットを軽く締めた状態ではいい感じで調整できても本締めすればまた同じ方向に傾いてしまうを何度も何度も繰り返し・・・

さらに色んなことを考え考え半ば諦めかけていましたが・・・

最後に考え付いた手段を本日朝4時から試してみて。。。

かなりいい感じ!!
完璧ではないにしろかなり良い手応え充分!!


これでやっとクランク芯出しできます。。。

クランクの3本のシャフトはすべてテーパーでフライホイールに
組み込まれて締め付けられているので
元々のようにかなりシャフトが斜め向いていてもクランクの芯出しは可能です。

が、当然不具合は多いにあります。

クランク芯出しも当然大事ですがその前にシャフトとフライホイールが
きちんと直角で左右のフライホイールが平行なることも大事です。

これでかなり不快な振動が激減できたと思います。

たぶん・・・。

古いしこんなもんやでとかなりアバウトに組むのであれば
アレもコレも悩むことなく簡単ですが。。。

やはり仕事としてお金頂いて作業している以上は少々時間かかりすぎても
出来る限りベストな状態で組みたいと思っていますが・・・

悩みすぎて全く作業が進まないこともよくあります。

言い訳っぽいですがこの辺はご理解いただきたいとこです。。。



やっと迷走抜け出して少し気分落ち着いたせいか急に眠くなってきた・・・



2012年5月22日火曜日

56FL バルブ周り、オイルポンプ等

56FLの作業途中報告です。

まずクランク左側、スプロケットベアリングの調整。

このベアリングはこのようにメーカーからの出荷時点できちんとベアリングとレースのクリアランス調整されていて絶対にこの組み合わせを変えるなと注意書きみたいなのがありますが・・・
 ベアリングの調整はレースをケースに圧入してからこんな感じでベアリング、スペーサー仮組して確認調整しています。

明らかにガタ多すぎる出荷時のセット。。。
ベアリングとベアリングに挟まれているこのスペーサーの厚みで調整します。

出荷時のセットを組みかえるななんてそんなことは知ったこっちゃないです。

少しずつ厚み薄いので確認して適度なスペーサーを選定しておきました。
 で、ヘッドのバルブ関連。

バルブガイド製作、入れ替え。
バルブシートカット、すり合わせ&ラッピングはだいぶ前に終わっていました。

各バルブステムの突き出し確認。
注)写真撮るためにノギスずれていますが実際はちゃんと真っ直ぐ測定しています。

 続いてバルブスプリングのセット長測定し
セット長でのバルブスプリング圧を測定します。

ちなみに元々この56FLに組まれていたバルブスプリングは・・・

かなりハイテンションの硬~いバルブだったので全て交換いたしました。

硬いバルブスプリングは色んなトラブル引き起こす原因になると思うので嫌いです。
続いてオイルポンプです。

元々組まれていたオイルポンプは。。。

明らかに何かすんごい異物混入で激しく逝っちゃってます。



 オイルポンプ外側のカバーに・・・

何か不具合引き起こしそうな人災的痕跡2つアリ・・・。

残念です。
 オイルポンプシャフトとブッシュも新品に交換されてる感じですが・・・

ここも残念ながら要交換です。
 この56FLは4,5年前に他店でオーバーホールされていましたがその当時から「次は頼むぞ」とオーナー様から依頼を受けていまして・・・

オイルポンプ、外品ロッカーアームASSY、カム、コンロッド等、前回のオーバーホール当時から要交換的な情報あったのでいつかウチでオーバーホールする時のためにと数年かけて少しずつ状態良い純正パーツ集めていました。

オイルポンプは右から2番目のがかなりグッドコンディションでこれに決定。

新車からほとんど走行されていないパンヘッドから外して置いておいた極上品です。
オイルポンプしっかり洗浄後、仮組して回転の点検。

かなり動きが渋いです・・・

新車からほとんど走行してないだけに。。。ギアやポンプボディにわずかにバリなどが残っていました。


こういうとこも・・・

何度も何度も組んで点検してバラして点検して必要最低限での加工をして何度も何度も各部目が取れそうなぐらい凝視して確認調整し。。。

気がつけばポンプ仮組調整だけで3時間半もかかってしまいました・・・

何をまた大袈裟に~って思われるかもしれませんが・・・

結構大変なんです。
 動きが渋いからといっていきなりギアやボディに大幅な面研加工等はしません。

スカスカなって軽く回転するのでは意味が無いのでまずは動きが渋くなる原因をひたすら探して少しずつ少~しずつ加工していきます。

かなり疲れる作業ですが何とか軽くスムーズに回転できるようになりました~

うれし~。


そういえばヘッドは完成の予定でしたが。。。

1つ忘れていました。

用意してた純正ロッカーアームがサンドブラストで綺麗綺麗されていましたが・・・

何度洗浄しても内部に溜まったブラストの粉が取りきれないので製造時に圧入されてオイル通路を塞いでいるピンを取り除きコレで内部スッキリ綺麗に洗浄できましたが、改めてピン圧入等の作業がまだ残っていました・・・

サンドブラストの粉ってもの凄~~く徹底的に洗浄繰り返してもなかなか取りきれないので要注意ですよ。。。

2012年5月20日日曜日

旋盤のチャック芯出し

疲れすぎ寝不足すぎは・・・

普段ではありえないミスを引き起こします(単なる言い訳・・・)

2日ほど前、時間無く慌しく作業してる時にやっちゃいました

コンロッドのレース入れ替え前にレースを旋盤でちょっと加工しよ思ってた時・・・

何考えてたんでしょうね?

旋盤のチャック、爪の部分と刃物台をドカーンとクラッシュ。

旋盤回した瞬間にドカーン逝ったのでまぁそんな大きな被害は無かったですが

チャックの芯が狂いまくってしまいました。。。

 とりあえず旋盤からチャック外して。。。
せっかくなんでチャック内部と爪を綺麗にしてから
 旋盤にチャック仮組み。

恐らくは精度良いであろうと思われるJIMS製のリーマーを咥えさせて・・・

ほんとはもっと長いシャフトの方が良いのでしょうがとりあえずコレで・・・

ピックゲージで振れ見ながらチャックをプラハンでコンコンと軽く叩き調整繰り返し・・・
こういう時は間違えて買ったこのピックゲージが役に立ちました。

1目盛りが1000分の1ミリ。

ほぼ振れ無し。

結構大変やと思って2日ほど見なかったことにしてましたが
結局2~3分で芯出し完了。

後は実際にシャフト削って振れの再確認。

ハーレーのクランク芯出しもこんくらい簡単にできたらいいのに・・・


2012年5月19日土曜日

ドタバタな1日でした

本日はというより今週は連日来客、電話、メール、予定外の作業など
かなり慌ただしい1週間でした。。。


今週火曜から日曜で完成予定で作業していた56FLのエンジン。

今日も早朝からクランク完成に向けてラストスパート。

とか言いつつ依然このピニオンシャフト関連部分で頭抱えて施行錯誤しておりました。

明日の午前中にはクランク組み終えるかな・・・
で、10時頃から本日車検行く50FLとMさんのショベルを大急ぎで車検準備。

50FLはオーナーさんが普段からかなりしっかりメンテナンスご自分でなされているのであまり何もする予定ではなかったですが。。。

どうしても気になるキャブ回り点検整備。

マニとヘッドの合わせ見直し、Oリング交換。
 フロートレベル調整。

こちらは中古で買ってそのまま何もしてなかったとのことでした。

これだけでもだいぶ低中速調子良くなりました。

たぶん・・・
 ここでまたしてもデジカメ破壊。

ちなみにこれは外で車検終わった2台のバイクを撮影したのですが・・・

完全に逝っちゃってます。


 ここから携帯で撮影。

午後から2台とも車検は無事終了。


 急いで50FLのリア周り点検整備。

7年ぐらい酷使され続けたホイールベアリングかなり傷んでいたのでベアリング&レース交換。


リムの振れ、スポークの張り点検調整。

・・・。


・・・・・・・。
スポーク2本折れてました・・・。

 先にベアリング交換しちゃいましたが。。。

オーナー様曰く何でもええしそこそこ汚いホイールで交換しといて~と。


 で、改めて用意したホイールのベアリング点検。

こちらだいぶ新しいベアリングだった記憶があるので洗浄してシム調整してグリスアップ後リムの振れスポークの張り等点検。

何やかんやであっという間に18時。

19時。

20時・・・。

何とか無事?納車準備OK。

こちら本日初めてご来店のお客様のツインカムと
このシートえぇなぁえぇなぁと連呼する50FLオーナーのミッチー氏。

リアベルトの張り調整だけの予定で聞いておりましたが。。。

んん~っ、プーリーとスイングアーム干渉してゴリゴリなってる~から始まって予想以上に大変な作業でコレ一人じゃ絶対無理!!って感じで。。。



ミッチーさん、最後までお手伝いして頂きありがとうございました!!

気がつけば22時過ぎてますやん。。。

遅くまでほんますみませんでした・・・

上のツインカムのお客様、めちゃ近所の人で
しょっちゅうウチの店の前走っておられるの知ってました。

ウチが昨年10月に移転した頃から何度も店行こうと思いつつ
古いハーレーばっかりやし行っても断られるやろな~とずっと思ってたらしいです。

本日は明日のツーリングに向けての緊急トラブル問題解決のため
思い切って来店されたとか。

ちなみに私、ツインカムでもVロッドでも何でもハーレーなら仕事断わりません。
内容次第では外注に依頼することはありますが・・・


前店舗では通りすがりに来店してくれたお客様といえば
9年間でたったの2人でしたが(しかもその2人は一緒に来店)

新店舗に移ってまだ約半年、通りすがりで来店してくれたお客さんがかなり増えました。
全くやる気のない落書きみたいなFOR SALEの紙張って表置いてたEVOも売れたし・・・

やっぱ場所もすごく関係あるんですねぇ。。。

明日も5時起きでがんばります。

とりあえず眠いから寝ます。





2012年5月17日木曜日

56FL クランクバランス取りなど

ピニオンレースの製品不良で作業中断していた56FL。

連休明けにやっとピニオンレースが入荷。
VTやCCI、DSなどのカタログに無いサイズのレースのため入荷に時間かかってしまいました。

念のため2個仕入れときました・・・

で、今週火曜日からの作業報告です。

前回の製品不良だったレース抜いて新たに入荷したピニオンレースを圧入し恐る恐る内径を測定。
もちろんシャフトなども改めて測定。
レース内径もともとの歪み研磨を考慮して使用するベアリングを選定。

STDサイズ駄目、0002駄目、0004オーバーサイズで何とかいけるかなぐらいでした。

やっぱりちょっと元々の内径が広い。。。


で、改めてピニオンレース内面研磨。

グリグリ。グリグリ。。。。

結局微妙なとこで悩んだ結果、使用したベアリングサイズは0006インチオーバーサイズでした・・・。


これでやっとピニオンベアリングも入れ替えラインリーマー加工できます。

カムブッシュ製作、入れ替え、ラインリーマー加工は既に終わっています。
カムカバーをクランクケースに組んで専用工具使用して慎重にラインリーマー加工。

やること簡単ですが実際は結構難しいと言うか大変と言うか悩みどころ多すぎる加工部分です。



で、お次はピニオンシャフトとベアリングを仮組してクルクル回して点検。。。

び、微妙~です・・・。

わかる人にはわかるこの悩み。

特にナックル~ショベルまでのピニオンベアリングで56年前後のみ短い期間採用されてた長いベアリング故に。。。




こちらピニオンブッシュ

わずかに当たりがキツイ部分を少しずつアレしてコレして・・・

何度も何度も組んでバラして回して点検して・・・

もちろんブッシュ内径広くしたら簡単にスムーズに回りますが必要以上に広げてしまったら駄目です。

ここだけでかなり時間かかってしまいました・・・
写真が横向きですみません。

ここから56FLのクランクバランス取り。

クランクピン、ベアリング等の重量測定。


ピストン等の重量測定。

開業以来10年半にしてフルオーバーホールした車両では初めて使用するこのノーマルリプレイスなピストン。

オーナー様のリクエストなのですが・・・

ここ数年特にひどい製品不良、材質不良なご時世なんでコレで10年10万キロ以上の目標に不安がイッパイイッパイです・・・。



とにかくひたすら各部品の重量測定後・・・

今回もまた写真撮り忘れましたが各部計測した重量をアレコレ計算し・・・

オーナー様からのリクエスト通りのエンジン特性になるようこれまた過去10年半で初の重量バランスにて使用するウエイト決定。

と、言ってもリクエスト通りのエンジン特性になるかどうかなんて・・・全く持って何の根拠も無い単なる私の勝手なイメージからの重量バランスですが。。。
バランス取りする前に。。。

フライホイールワッシャーを選定し取り付けます。
フライホイールワッシャーの厚み測定。


で、フライホイールワッシャー組み込んでからバランス取り。

ですがその前に・・・


元々大量に開けられていた穴は全て埋めました。

これはピニオン側の裏面下部。
こちら同じくピニオン側の外側上部。
ピニオン側のバランス取り終了。

最終的に開けた穴は上部左右のこれらのわずかな穴だけ。

この部分、深く穴あける必要ある場合はここには穴あけませんがこれぐらいの浅い穴開けでいけそうな場合はここに開けちゃってます。

あれほど大量の深い穴が無くなったからエンジン特性はかなりオーナー様のリクエスト通りに近いはず!!

と、これまたなんの根拠も無い自信。
こちらも激しく深い穴だらけのスプロケット外側上部。
こっちはスプロケット内側下部。
ピニオン側同様に元々の穴は全て埋めてからバランス取りしてこちらも最終的に開けた穴はこれだけ。

ちなみに穴埋めする時は溶接でブリブリ・・・なんて絶対しません。

左右でこれだけ大量の穴埋めまくったのでハーレー本来の重たいクランクに無事戻ったかと。。。

でも実際走ってみないとどうなんかわかりませんが・・





と、クランクバランス取りに関して何だかんだ言うますが実際は・・・
バランスウエイト、何パーセントならエンジン特性があんなこんなとか
正直あんまり気にしてません・・・

左右のフライホイールでの重量バランスは揃えたいとは思ってますが。。。