2013年11月17日日曜日

60FLHのミッションオーバーホール

 まずは抜け落ちてしまってたスタッドボルト穴、ネジ山全く無くなってしまってるのでヘリサートにてネジ穴を修正します。
メインドライブギアのベアリングレース圧入部。すでにオーバーサイズのレースが入っていたのですがもうワンサイズ大きいオーバーサイズレースに交換する為外注にて機械加工で内面研磨・・・の予定でしたが内面研磨で歪み修正すると1番大きいオーバーサイズでもアウト・・・。

と言うことでレース圧入部を少し大きい目に内面研磨してスリーブ製作圧入。

スリーブ内径をSTDサイズのレースに合わせて改めて内面研磨。
 スリーブ圧入、内面研磨完了の図。

写真ではあんまりわからないですね・・・

 で、レース圧入します。

いつもここのレース圧入する時に使う治具を製作しようと思いつつ・・・

毎回こんな感じで有り合わせの積み木状態。。。
レース圧入後、ケースが常温まで冷めるの待った後レース内径の歪み点検。
 慎重に慎重に。。。

歪み部分をピンポイントで内面研磨グリグリ加工。

この作業は簡単なようで。。。実はとても難しです。


慎重に慎重に。。。内面歪み点検しつつ・・・
レース内面の歪み修正終わればいつものように測定測定。。。
 ベアリングも測定測定。。。

で、クリアランス調整のため改めてグリグリ内面加工。
 内面加工完了したら仮組で点検。
何か順番おかしいですが・・・

洗浄終わったギア各種、点検していきます。
メインシャフトとメインドライブギアはアンドリュース製の新品なので安心ですが念のため点検。

おぉ・・・

とてもいい感じです。
ギア内部。

当たりがキツくて?ツルツルピカピカになってる部分は加工修正します。

と言ってもほんの少しホーニングするだけですが。。。
 カウンターギア側面が荒れていたので修正します。

ギアはとても硬いので切削後のバリには要注意。
1&2速のブッシュ交換。
ブッシュとギアのはまり具合が少しきついのでまずはギア内径など測定点検。

少しだけ加工修正。

ブッシュもほんの少しだけ加工修正。


何とかいい感じでブッシュがギアにはまるようになりました。

ハマり悪いのを無理矢理いれるとブッシュがすぐに変形してしまうので要注意です。
 カウンターギア内径も加工修正し。。。
 シャフトの直径に合わせベアリング選定します。

カウンターシャフトもアンドリュース製に交換。
 仮組して点検。

ベアリング同士の横面だけきつくて回らずシャフトとはガタがあってとならないように要注意です。
 カウンターシャフトブッシュも交換。

加工修正後にケースへ圧入。

ですが・・・

内径小さくシャフトが全くはまりません・・・。
削り過ぎないよう慎重にリーマーで内径修正。
きつ過ぎず緩すぎずでシャフトハマるようになりましたが・・・

キック側も内径キツくハマりません・・・。

こっちは貫通穴じゃないのでリーマー加工できません。
諦めてブッシュを一度抜き直し旋盤で内径修正します。

が、ブッシュ等の内径加工は当然ケースに圧入した状態で仕上げる物なので・・・

いかほどに研磨したら良いのか悩みます。。。
 と言うことで見事に削りすぎてブッシュ1個無駄にしてしまいました・・・

改めてやり直し・・・


 何とか良い感じでシャフトがハマるように無事完了。

新品のブッシュに交換したのにシャフトガタガタ。。。って言うのよりかはまだマシですが・・・

結構大変な加工です。

こういう場合はブッシュ圧入した状態で機械加工にて真っ直ぐ左右センターずれないようにに内面研磨したいです。
 続いてメインシャフト側の3速ギア。

スラスト確認調整。
 組んで行きます。

部品代が少々お高くなってしまいますが64年までのミッションはオーバーサイズレース、メインドライブギア、メインシャフトを交換することをお勧めします・・・

メインドライブギアに関してはベアリング接地面の摩耗が少なければ交換はブッシュだけでOKです。
明らかに順番おかしいですが・・・

カウンターASSYもスラスト調整。

このワッシャーもそのままでは使用できないのでしっかり加工修正いたします。
そんなこんなでミッション本体完成。

今日中にラチェット部も終わらせる予定でしたが緊急修理が2件ありの来客ありので残念ながら今日はここまで。
 そう言えばキックカバー内部がバックリ割れてます。

変なカシメ痕が2つあるのですが。。。

何かわけあってカシメてそのせいで割れたのか?
割れてるのを無理やりカシメで修正してるのか・・・

さてどうしようかはまた明日考えます。