2013年12月17日火曜日

S&Sショベルのバルブスプリング

 73ショベルは4*3/4のストローカーで圧縮比も高め。

と言うことで普段よりかなり慎重に様子うかがいながら初期慣らしで約15時間。

実走行の慣らしテスト走行が現在約300キロ。

ストローカーと思えないくらい振動も少なくスムーズで調子良く走ってますが微妙に気になることがあって先週末からかなりアレコレ考え込んで・・・

正直気のせいだろうとも思いつつも。。。。


 こういう時は悩み過ぎると他の車両の作業にまで影響出てしまうと言うことで。。。

バラして気になる部分を確認。

ピストン、ピストンリング・・・
そしてシリンダー内部。

各部、全く持って異常なし・・・

カム周辺も異常なし。

困った。

と言うか眠すぎてブログの文章がどんどん変になってしまってるような・・・
 で、関係無いこと思い出す。

S&Sのコンプリートエンジンや組まれて売ってるクランクはビックリするくらいガタガタ。

フライホイールとコンロッドのクリアランスも凄く広い。

ちなみにS&S社のマニュアルではコレでOKと書かれてます。

それでOKかどうかは・・・もちろん組む人の判断です。

私的にはOKでなかったのでS&Sのクランクは新品でも中古でも全てフライホイールワッシャーが取り付けれるように加工してサイドスラストを調整しています。

(S&Sのフライホイールには元々フライホイールワッシャーが無いので)


 先週もその加工を外注にて機械加工してもらうべくS&Sクランクを4個まとめて分解。

S&Sのクランクは全てのナットが恐ろしいほど強烈に締めつけられています。

と言うか緩み止めのロックタイト(緑)が大量に塗り塗りでバラすの大変。

ナット緩んでもフライホイールとクランクピンのハマり具合も強烈でここのテーパー部にまでロックタイト浸透しまくりでこれまた分解するの大変。
 4個まとめてバラしたらそれだけでかなりぐったり疲れます。

と言うことでこれらは現在まとめて外注にて機械加工中です。
 S&Sのクランクはほとんどの場合がこんな感じでコンロッドとの干渉部が酷く傷んでます。

ので

そうならないようにとの対策のためフライホイールワッシャーの取り付け加工とコンロッドのサイドスラスト調整をお勧めしています。

こうなってしまってからでも修正加工は大丈夫です。

恐らくはこういう細かいことの積み重ねが・・・



 で、話は戻って73ショベル。

元々この車両はS&S製ヘッドが組まれており、まだかなり新しい状態でした。

オーバーホールの作業依頼の場合ならば新品だろうが中古だろうがこのS&S製ヘッドを使用する場合はバルブガイド、バルブ、バルブスプリング等交換を前提にお勧めしておりますが・・・

予算的な都合ももちろんあると思うので強制ではありません。今回のこのショベルの場合はバルブシールの取り付け加工以外は何もせず点検洗浄のみで昨年組んでおりました。
 しかしこのヘッド。

設定上では590リフトのハイカムまでOKと言う凄いやつ。

となると当然それに対応できるハイテンションなバルブスプリングが組まれてるわけで。。。

あくまでも私の考え方ですが硬いバルブスプリングは・・・百害あって一利なし。

バルブステム、バルブガイド内径、タペット、ローラー、カム、カムブッシュ&ベアリング等などがかなり短命になってしまいます。


 と言うことで昔ウチでオーバーホールした同じS&S製ヘッドと見比べてみたり。。。

全く記憶に無かったですがやはりバルブスプリングとカラーは交換してセット長でのスプリング圧をかなり弱めておりました。

元々のS&S製(左)はバルブスプリングが3重になってます。

かなりのチューニングエンジンなら話は別ですが通常走行前提では当然何の意味のなく・・・
 ロアカラーの形状がかなり異なるのでロアカラーも付けた状態で。。。
 セット長でのスプリング圧を図り比べてみます。

このS&S製の3重スプリングは・・・

1番奥のスプリング取り除いた状態でも通常のバルブスプリングより硬い。

と言うかやはり眠過ぎてさっきから文章がめちゃくちゃすぎて意味不明なので・・・


寝ます!!
そんなこんなで今回気になってる部分がココと関係あるかどうかはまだわかりませんが・・・

今一度このまま組むかせめてバルブスプリングはテンション下げて組むか

さてどうしましょう。

と言うことでゴメンナサイ、オツカレサマデシタ、オヤスミナサイ又アシタ。










2013年12月13日金曜日

大神戸共栄圏サンのナックル。

ウチのお店が大神戸サンとこで紹介されてました。

何か物凄く良いように書かれてますが・・・

こういうブログとかみただけでこの店凄いのかも!

みたいに信じて勘違いしちゃう人多いみたいですね。

正直ウチの店はまだまだ有名でもなんでも無いし

私自信もまだまだ勉強足らずで自分に自信あるなんて思ったことないです。

今回ブログに書かれてることはあくまでも河田さんの想像です。

実際納車してからの感想が・・・どうなんでしょうね。

ガッカリされないようにガンバリマス。。。


http://daikoube.blogspot.jp/2013/12/blog-post_13.html

2013年12月11日水曜日

A田さんショベルのエンジン&ミッション分解点検

 エンジンオーバーホールその他点検修理でお預かりしたA田さんショベル。

まずエンジンから分解していきます。

ヘッドボルトを少し緩めただけでオイルがダラダラ漏れてきました。

これは早速嫌な予感が致します。。。
 オイルでベッタリなヘッドボルト。

どこからのオイル漏れか気になります。
 写真ではわかりにくいですがオイルリターン穴周辺からヘッドボルト穴(右側)3個分までオイルがべったり。

ガスケットが古すぎてひび割れしていただけなのか、またはヘッドが激しく歪んでいるのか・・・

気になりますが現時点では気にせずどんどん分解していきます。
 この車両、比較的近い過去にリアのみヘッドとシリンダーベースのガスケット交換されていたようなのですがリアのヘッドガスケットは丈夫なテフロンコート製・・・

フロントのガスケットより倍ほど厚みがあります・・・
 更にベースガスケットもリアの方がフロントより倍以上ぶ厚い感じのガスケットでした。

ハーレーだとコレくらいのことでは何も不具合無いのかもしれないですが圧縮比など完全無視な荒技にちょっと驚きました。

タペットは4本とも新品に交換されていましたが結構な傷だらけで・・・

見ての通り油圧タペットです

が・・・
 カムが。。。

この何とも男前なハイリフトなカム山は・・・
 カムカバー外していきます。

ここのボルト1個緩めただけでパキッと嫌な音がしてカムカバーが右半分クランクケースから外れました。

結構な。。。歪み具合だと思います。

恐らくはカムカバーの歪みだと思うのでしっかり面研修正しておきます。
 おぉ。。。

カムはやはりアンドリュースのAでした。

パンでこのカムだとヘッドのバルブ関係最悪な感じですがショベルでもこのカムが組まれてたほとんどの場合ヘッド内部のひどい損傷が予想されます。

こんなハイカムはエンジン各部の寿命を縮めるだけなのでJカムか純正Hカムに交換致します。

しかしこのカムで油圧タペットはだいぶ危険かと・・・きっとカム確認せずにタペットだけ交換されてたかと思われます。


この状態で「クランクは結構しっかりしてます、腰上だけオーバーホールしましょう」 とショップの方に言われてそれを信じて短期間で痛い目にあったお客様はもう何百人いたことか・・・

こんな触診でクランクの状態など把握できません。

むしろ状態悪く焼き付きかけているが故にガタが少なくしっかりしているような感じに思える場合も多いです。

今回のショベルもこの状態では全然OKレベルと言われそうな感じですがさてどうでしょう?

バラして確認致します。
 ステーターローターを外したら・・・
見事にマグネットが全部取れちゃいました。

残念ながらこれは交換です。

原因は色々ですがスプロケットシャフトナットをインパクト使って乱暴に締めたり緩めたりしてるとこうなってしまうことが多いらしいので要注意。
 クランクケースのシリンダーデッキ面、左右合わせ部かなりの段差です。

後ほど慎重に面研修正致します。
 タペットスクリーン内部にゴミがびっしり詰まってしまってます。。。

基本的にここはしっかり組まれたエンジンでオイルタンク内部も徹底洗浄されていればゴミが詰ることもほとんどないのですが。。。

ゴミが詰ってたら洗浄したらOK。

では無く、エンジン内部やオイルタンク内部の良くない状態を心配することをお勧め致します。
 で一気に飛んでクランク分解。

コンロッドベアリングのケージがフライホイールワッシャーにめりこんで取れません。


 クランクピン抜きとったら何とフライホイールワッシャーごと取れました。
 元々こんな状態の部品だったのかと思えるほど見事にケージとワッシャーが焼き付いて一体化しております。

このまま走り続けていれば近い将来ケージが粉砕し。。。とんでもないことになってたかと思われます。

と言うことでこんな状態でも先の触診では何も不具合無いように思えてしまったり。。。
 クランクピンとベアリングの当たり面見てもベアリングがかなりピニオン側(右側)に寄っていたのがわかります。

コンロッドレースのラッピング状態が悪かったりするとこんな不具合を引き起こしてしまったりします。
タイミングホールのケース側、ネジ穴が完全に潰れて無くなっていたので修正致します。
 そんなこんなで洗浄の準備完了です。

ヘッド関係は後ほどバラして確認後、改めてご報告致します。
 続いてミッション確認していきます。

キック関係。

ギア等、すでに交換されている感じでこのままでOKですがキックシャフトとブッシュがガタガタだったためまずはブッシュ交換から予定しておきます。
 クラッチのシェルとクラッチハブがびっくりするくらいガタガタです。

リテーナーで調整できるスラストのガタでは無くベアリングかハブが摩耗し過ぎている感じです。

クラッチハブとベアリングは要交換です。
 スプロケットは23Tでした。

先日お伝えしたように25Tに交換致します。

それに伴いチェーンも要交換なのでご用意しておきます。
 メインシャフトも1度交換されている感じですが・・・

押して引いてガタガタ・・・となってしまうのはかなり良くない感じです。

メインシャフトを押して引いてガタガタ動く場合はミッション分解修理することをお勧め致します。
 ギアは全て状態悪くなくこのまま使用OKだと思いますが各部スラストがかなりガタ多いので分解して点検した後、修正致します。
 メインドライブギアブッシュ内部におかしな縦傷が多数・・・

ココは回転する摩耗以外無いはずなので縦傷が入るのはおかしいです。

きっとブッシュ入れ替えてリーマー加工された時に失敗して傷だらけになった物だと思われます。。。
 比較的まだ新しいと思われるメインシャフトですがメインドライブギアブッシュとの当たり面が酷く焼けて摩耗が酷いので交換致します。

ブッシュの内面仕上げが良くなかったのか、台湾製シャフトがやはり材質的に弱いのか・・・


 先ほどのメインシャフトのガタの原因はこのベアリングのガタです。

このベアリングは回転には強いですが横方向の打撃にはものすごく弱いです。

と言うことで組んだりバラしたりする時にシャフトをハンマーで叩いたりしてはいけません。


 そんなこんなでミッションも洗浄準備。

今回の交換部品はメインシャフト&カウンターシャフト、全てのブッシュ&ベアリング、スラストワッシャー各種他ガスケット、オイルシール等など。。。

参考までに・・・

この年式のミッションのオーバーホールは上記の部品交換と工賃で約15万円です。
車体の各部点検整備はまた後ほどに・・・


73ショベルのオーバーホール完成。



 ストローカー&ビックボアだった73ショベル。

ビックボアからSTDボアへ加工されたシリンダー(左

右側のがショベル純正シリンダー。

何か凄いことになってます・・・
 S&Sのピストンはワイセコ製になったのですが、製造元が変わっただけでなくピストンの形状もかなり変わりました。

かなりのロングストロークなこのショベル。

念のためピストン仮組してフライホイールとの干渉などないか点検。

ここまでピストンが降下してしまうのってどうなんだろう・・・

と、何かと不安要素が多すぎるストローカーはどうも好きになれません。
 写真撮り忘れてすみません。

ピストン&リングをしっかりと加工修正して組みます。

ヘッドは前回組み直した時のまま今回はバラさずそのまま組みます。
 これは・・・カムシールからのオイル漏れが止まらないSさんショベル。

カムブッシュ交換してリーマー加工にて問題解決。
 73に戻ります。

このストローカークランクでノーマルシリンダー長だと圧縮比が10.8:1と危険すぎるので丈の長いシリンダーを使用し圧縮を落としています。

シリンダー上下面とも面研したりで実際の圧縮比は正確にわかりませんが・・・

それでもまだノーマルよりだいぶハイコンプです・・・
 何度も何度もクランキングさせてシリンダー内部に薄っすら傷が付いていないか点検。

前後共OKです。

昔のS&S製シリンダーはかなり材質良さそうな感じです。

今はS&S製部品は何もかも製造元、材質が変わってしまってどうなんでしょうか・・・
丈が長いシリンダーを使用する場合マニホールドも合わせて交換しなければなりません。

マニホールドとヘッドとの隙間が無いか点検。

かなりピッタリで良い感じです。

そんなこんなで73ショベルは初期慣らし10数時間終わって現在ひたすらテスト走行中です。

2013年12月2日月曜日

HOT ROD SHOW

あっと言う間に12月です。

横浜ではきっとHOT ROD SHOWで盛り上がってるのだろうなぁ。。。

とか全く気にもならない自分がちょっと駄目な気もしつつ
いつも通り仕事です。

そう言えば73のブリーザーはケース側ボーリングしてオーバーサイズのブリーザーギアに交換致しました。

こちら83FXEのオイルポンプ。

まずはボディの歪みを点検。

軽く面研磨致しました。
送り側、戻し側のギアがそれぞれ厚みに差が無いか点検致します。

1000分の1,2ミリ・・・みたいなシビアに考えている訳ではありませんがあまり差がある場合はギアを交換致します。

今回はほぼ同じ厚みでしたのでこのまま組みます。
 オイルシールは交換。
 シャフトとブッシュ点検。

どちらも状態良くこのまま組みます。
 ギアの回り具合を確認しつつ慎重に組んで行きます。

軽く回っていてももっと軽く回る位置が無いか何度もアライメンと調整しつつ一番良さそうな所で最終増し締め致します。

この作業のアライメント調整は何の根拠もなくただただ自分の勘と言うか手の感覚です。
83FXEのブリーザーギアは上の樹脂製のでしたがあまり良くなさそうな感じでしたので下の鉄製のに交換。
結構な・・・

ブリーザーホール側はまだ状態良かったです。
 今回73と83どちらも後期型の純正Hカムなのですが・・・

上から見比べると。。。
 ギアがズレています。

さてズレいるのはどっちでしょう?

走行中にギアが回ってズレてしまったというのを良く聞きますが・・・

果たして本当に回ったりするのでようか??

と未だに疑問に思います。


 と言うことで83FXEのカムギアを1度取り外し正しい位置に組み直します。

もし走行中にズレしまうのであれば・・・・

もうどうしようもないくらいずっと回りっぱなしになってしまうような気がするようなしないような・・・
 83FXEのタペットローラー交換。
 ローラー側面との接触面点検。

軽く修正致します。

摩耗が酷い場合は残念ながらタペットごと交換になります。


 タペットブロックもよ~く点検し必要に応じて各部加工修正致します。
いつも使用している左側のローラーと台湾製ローラー(右)

明らかに違いがあります。

台湾製だから嫌と言う偏見では無くローラーの形状とタペットとのバランスを考えたら長い目で見てこれは嫌だなという理由があってこの台湾製のは出来るだけ使用しないようにしています。
 83FXE,カムのスラスト調整し
 ブリーザーギアのスラストも調整致します。

これで腰下は完成と思いきや・・・

まさかまさかですがカムシールが在庫切れ。

ちょっと前に10個ほど注文したのですが。。。


73も同じようにカムとブリーザーギアのスラスト調整。