2014年7月21日月曜日

66FLH ミッションオーバーホール

オイル漏れの点検だけのはずだった66FLHのミッションですが・・・

結局、具合悪い箇所多すぎて全バラでオーバーホール です。

まずはブッシュやらスタッドやらレースなど全て取り除いてケースの歪みを点検修正。
キックカバー側は大丈夫でしたがこちらは歪みがあったため加工修正。

この後ベアリングレース圧入穴をオーバーサイズ用に機械加工してもらうためケースを内燃機屋さんへ。








ケースが戻ってきたのでレースとカウンターシャフトブッシュなど圧入。

しかしこのオイルシールの抜け止め?のカシメ痕が酷いです・・・

私がやったのではないですと今のうちに写真で残しておきます。


 レース内径を測定。
メインドライブギアも測定

メインドライブギアとシャフトはアンドリュースの新品で組まれていましたがシャフトは段付き摩耗ありで要交換。

ブッシュはガタガタで内部かなり焼けて変色してしまってたのでブッシュ交換。
 使用するサイズのローラーを選定して。。。
レース内径をグリグリ仕上げます。
 カウンターギアが・・・
 側面焼けてかなり段付き摩耗なってましたので・・・
修正。
反対側も修正。
 5月にメインドライブギアのブッシュ5個入荷しましたがこの時すでに全て使いきってしまってて新たに10個注文してましたがなかなか入荷せずで。。。

待ちきれずストックしてたアンドリュースの新品のギアを使おうと思いましたが

シャフトとブッシュのクリアランスがガタガタでした・・・

シャフトの直径が昔より若干細くなったような・・・

諦めてブッシュの入荷を待ちます。

その間に各パーツの加工修正して洗浄など。。。

 入荷予定がだいぶ遅れながらもやっと入荷しました。


















他の車両のとまとめてブッシュ交換。


ブッシュ圧入後はギアを旋盤にセットしていろいろと注意しながら芯だし後ブッシュ内径を切削致します。





旋盤で切削した内径は刃物の筋が残りやすいので軽くリーマー加工しただけでいきなりクリアランスオーバーでガタガタ~とかならないように注意しながら切削。


で、仕上げはリーマーにて慎重に。

あんまり同時にいっぱいやると効率よいのか悪いのかわからなくなってきたり・・・











ちなみにこのメインドライブギアブッシュの専用リーマーだとクリアランスガタガタなってしまうのでこれは使いません。
ブッシュ内径仕上がったらシャフトに仮組して点検。

偏芯してるとクリアランスが適正でもシャフトとブッシュが焼けたり不具合多いので要注意。

 そう言えばアンドリュースのメインドライブギアにはそれ専用のブッシュがアンドリュースからリリースされてるのですが・・・

今まで気にしてませんでしたがJIMS、EASTERNのブッシュと比べてみたら・・・

なるほど、アンドリュースのギアにはやはりアンドリュースのブッシュじゃないとダメなんですね。。。

JIMSのだとブッシュの外周加工しないと圧入がキツすぎになってしまうみたいです。
カウンター側も内径測定。
 カウンターシャフトは先端のねじ山が完全に舐めて終わってたので交換・・・

今回はアンドリュースのシャフト使用しました。

シャフト測定。
 ベアリングを・・・

選定。

カウンターギアのブッシュは摩耗がひどかったので両方交換致しました。

2NDギアのブッシュ内部はえらいボロボロなってたのですが・・・

この部分、酷くバリが出ててブッシュ痛めてしまってたようです。

とか言いながらそれに気づかず新品のブッシュ入れてしまいブッシュ1個無駄にしてしまいました。。。

と言うことでバリ取りなど修正して
各ギアのスラストなど調整し
 こちらもスラスト調整。
 ミッションに使用するこれらのスラストワッシャーなどはかなり精度悪いのが多くそのままでは使えないことがよくあります。

と言うことで全て加工修正致します。
続いてラチェットトップ部を分解点検していきます。
こちらもかなりオイル漏れ漏れで。。。
ブッシュはガタガタで。。。

交換。
 こちらもブッシュ交換。
ブッシュ抜こうとカバー温めたら・・・

スポっと簡単に抜けてしまいました。
 カバー冷めてから内径測定。
 新品のブッシュは・・・

直径大きすぎてこのままでは圧入キツ過ぎて危険です。
 ブッシュ旋盤に加工してまずはいつもと同じく芯だしから・・・

で、ブッシュ外形を圧入できるサイズに切削して
 圧入。

ブッシュ内径の仕上げミスってブッシュがなくなってしまったので・・・

ブッシュ製作入れ直し。

ここの仕上げは未だ苦手です・・・

何とか無事に完了して。。。
 こちらもブッシュ入れ替えてリーマーで仕上げます。

慎重に慎重に…

リターンスプリングは状態にかかわらず常に交換しています。
 組みます。

が・・・

カバー組んだらポールキャリアが全く動きません・・・
 カバーとキャリアが完全に当たってしまってます。

だからバラした時カバー側に傷がいっぱいだったんですね・・・

シフトチェンジ重くなかったですか・・・?
 かなり怪しい固定方法ですが・・・

キャリアを旋盤にセット。
切削。

カバーと接触してたキャリア外側がかなり反ってる感じで した。
 怪しげな固定でしたが割と振らずにきれいに加工出来まして。。。

カバーとの干渉も解決。
 シフタードラムも組んでラチェット部完成にてシフターフォークの調整やっていきます。
カウンター側、ニュートラル時でかなり1速側によってしまってるのでシフターフォーク調整してセンターにズラしたいのですが・・
何故か3速4速時だとかなり2速側によってしまってます。

ニュートラル時をセンターに調整すると3速4速時にはシフタークラッチが2速と干渉してしまいそうです・・・

何故?
 どうやらシフタードラムの溝位置がおかしいことになってるようです。
他のシフタードラムと何個か比べると。。。

たしかに3速4速時の真っ直ぐな溝がズレてます。
 しかも2速時のでっぱりが低くてこれでは2速にシフトアップした時にギア抜けの原因となってしまいます。


 念のため改めて点検。

ニュートラル時の溝位置と3速4速時の溝位置は同じぐらいであってほしいのですが。。。
 やはりニュートラルの時よりかなり2速側に溝がズレてます。。。

どんな調整で組まれたかはわかりませんが・・・

このままの状態で走り続けてガタが出てきたころには3速4速時にカウンター側のシフタークラッチと2速ギアが干渉してミッション粉砕につながったかもと想像すると。。。怖いです。

ということでシフター調整はニュートラルの時だけでなく1~4速、全ての位置での点検調整が必要です。
 いろいろ考えた結果・・・

ストックしてるシフタードラムに交換しました。

同じアーリーの純正だったと思います。

(同じ純正と言っても66まではパンと同じで67から若干変わってるのですがちゃんと加工修正して問題なく使用できるので許してください。。。)

と言うことで改めてシフター調整して完成。
 スプロケットシャフトのスペーサー、内側旋盤で少し加工すればオイル漏れ対策になりますと言う加工がされてましたが。。。

どうしても嫌なので交換致しました。

あくまでも私の判断でその加工を否定するわけではありません。

でもオイルは漏れ漏れでしたけど。。。
オイルシール組みつけは専用工具使うのが安心です。
先にも書きましたがこのカシメ痕は私が打ったものではありません。。。

で、この部分いつも同じこと言ってますが液体パッキンなどは使用しません。


キックのラチェットギアは2種類あって元々このアーリーに組まれてた左のギアだと歯数の関係で右のギアよりキックがかなり重く なるらしいです。

今まで気にしたこと無かったですが・・・

あえて元のと同じギアを組みます。

キック軽くなったのギア交換したからちゃうん?

と言われるのは悔しいので。。。

あんまり違いなかったような気がするのですが。。。
24Tが組まれていたスプロケットはエンジン側のスプロケットとの兼ね合いで26Tではなく25Tに交換致しました。

スプロケットナットがねじ山痩せて緩々でしたのでナットも交換。

そんなこんなで66FLHのミッションオーバーホールの作業報告は以上です。

あ、キックカバー関係のみまた後日追加報告致します。