2014年12月17日水曜日

0.5ミリ


普通に0.5ミリと言えば全然小さい数値で何でも無いような感じですが

エンジンやミッションのズレで0.5ミリと言えば・・・

あり得ないくらいおかしな数値です。

 Nさんの49パンのミッション。(写真は別の車両ですが)
メインドライブギアのレース圧入穴とオイルシール入れる穴のセンターが0.5ミリズレてました。

レースのツバがハマる部分はオイルシール側とセンター合っててレース部とはズレててレースのツバがケース側面に干渉してしまってるのを無理やり圧入されてる感じでした。

だから圧入時レースが斜めってケース側におかしな段付きがあったのかもしれません。
 元々レースはSTDサイズだったので後からの加工ミスでセンターズレた訳では無さそうです。

何か全く理解不能な数値で信じられませんでしたが元からそんなに狂ってることってあるのでしょうか???

アレコレ測定した結果、レース部のセンターは合ってると言う判断でまずはオーバーサイズのレース入れれるように加工。

合わせて2段目のレースのツバがハマる部分もケースに干渉しないようにセンター合わせて加工致しました。

 レース圧入して

ベアリングとメインドライブギア測定して
点検。

やはり新品のメインドライブギアでもかなりギリギリです。。。

JIMSさん、エンジンに使用するレースは内径アンダー過ぎやのに。。。

ミッションのこれももう少しだけアンダーサイズにしてくれないかなぁ。。。
 余計なとこまで広げないように慎重にグリグリとラッピング。

このタイプのラップTOOLは何かと不安要素が多いです。。。


仮組して点検。
 念のため仮組してギアのバックラッシュ点検。

仮にメインドライブのレース穴がズレてたとしたらカウンター側に0.5ミリ寄ってしまうことになるので・・・たぶんそれだとキツ過ぎて回らないか相当な唸り音がしてたかもですが

仮組した感じだと問題無さそうでまずは一安心。
 と言うことは当然シール穴が後ろにズレていると言うことなので。。。

目視でわかるくらいシールとケースに隙間があります。
逆に前側は完全にケースとシールが被っててこれではシール入れれない状態です。

バラす前までは各部かなり摩耗が酷くクリアランス広すぎだったので何とかシールも入れれたのかもしれませんが各部クリアランス整えて組み直せばそんなことも許されません。

仮にこのままシール入れたとしたら・・・

メインドライブギア、キツ過ぎて回らないか、オイルだだ漏れ状態になると思います。。。





じゃあ新車の時はどうだったのでしょうか???

と言うことで点検確認まで終わったので改めて機械加工屋さんへ。。。

シール入れる穴をレース部のセンターに合わせ大きく広げて
スリーブ製作圧入致します。

何でいつもこんなんばかりで作業が思うように進まないのでしょうか・・・。






2014年12月14日日曜日

ツインカムのカム交換。


 Kさんツインカムのカム交換。

ツインカムや04以降のスポーツスターはこのカバー、ただの飾りで中には何も無いのですが。。。

ぼけーっとしてたらまたいつもの癖でここから分解始めてしまいました。。。


走行距離7万キロにしてはテンショナーの摩耗少ないような。。。

 しかし裏側のテンショナーはもうすぐ粉砕って言うくらい摩耗してました。。。

表側のテンショナーだけ交換されていたのでしょうか?

カムが2個だったりカムがチェーンで回ってたり。。。

未だに何か違和感があります。。。


 ケース側のニードルベアリングももちろん交換いたします。

右のが純正。

ケージ付きなのでこちらの方が良いような感じがするのですが

聞くところによるとこの純正のはあまり丈夫じゃないとか・・・。



 ベアリングの圧入は専用工具で。

オイルポンプ洗浄して点検。




 オイルポンプがカムカバー内部にあるのも未だ慣れません。。。

ここのOリングも勿論交換。
カムとベアリングを取り外します。

マニュアル通りのやり方ですがこんなんで大丈夫???って心配なったり・・・
 今回S&Sのギアドライブのカムに交換。

ちょっとだけハイカムみたいです。


 カムプレート、オイルポンプ組み付けて外側もセットのギアに交換。

今回ギアの唸り音も無くむしろノーマルのカシャカシャ言うメカノイズがほとんど無くなってとても静かなエンジンになって一安心。

この年式くらいまでだと、あのキツ過ぎるカムテンショナーとその不具合考えれば何となくギアドライブの方が安心できるような気がします。。。

今回はガスケット交換も兼ねてロッカー部分は全バラ、タペットも分解洗浄で部品と工賃の合計が税込約15万円でした。




2014年12月13日土曜日

49と57パンのミッションオーバーホール

三重のNさん49と愛媛のBさん57、ミッションオーバーホール。

まずBさんの57。

おぉ。。。

ギアが全てアンドリュース製でした。

カウンターシャフトとシフタークラッチもアンドリュース製。

メインシャフトのみ・・・不明でかなり摩耗してます。


カウンター側のシフターフォーク、調整が悪くかなり1速側に寄りすぎてたようで。。。

シフターフォーク側面(1速側)がかなり傷んでました。
 カウンターシャフトはこのまま使えそうです。
 ケース内部の底面、メインシャフト側・・・

これは何?金属パテ盛り盛り???

左上のスタッド周辺バックリとクラック数か所に有り。

オイル漏れ酷かったのはこの辺が原因でしょうか?
 と言うことはケース裏側は・・・

こ、これは。。。

無数のポンチ痕。

良く見るとそこに大きなクラック有り。

鍋職人さんが鍋の穴を叩いて修理する方法みたいな感じでクラック表面を修正してたのでしょうか・・・?
ピンポールぐらいならこれでも治せますがクラックはさすがに・・・

あまりにも広範囲にクラックが多すぎて。。。と言うことでケース交換にてとりあえずひとまず作業中断。



続いて49.

こちらの49もかなりのオイル漏れでしたので先のがあまりにもショックすぎて思わず裏面からチェックしてしまいました。

こちらは大丈夫でした。

シフターカムのエンドプレイがかなーり大きくて左右にガタガタ。

これだとシフターフォークのセンター調整しても意味無い感じです。

と言うか調整できません。。。
各ギアは問題なさそうです。
 ・・・・

これは兵庫のFさんショベルのヘッド。

ひたすら洗浄。
49の4速メインドライブギアとシフタークラッチ。

写真ではわかりにくいですがお互いの当たり具合を見た感じかなり4速側に寄り過ぎていたようです。

3速4速の間でギア抜けしてしまってたのはこれと先のシフタードラムのガタが原因だと思います。
 3速側はドックのかみ合わせが甘かってはじかれまくってたのでしょうか?

かなり傷んで角が完全に摩耗して丸くなってしまってます。

こちらは交換致します。


ベアリングレース、ブッシュ、スタッド、ノックピンなど全て取り外して
 各部点検。



メインドライブギアのレース圧入部点検。。。

と言いたいとこですが目視でわかるくらい段付き摩耗がありましたので外注機械加工にてオーバーサイズのレースが使えるように致します。

機械加工屋さん、かなり忙しそうで。。。。

年内間に合うでしょうか???

やはりこの辺の機械加工も早く自社でできるようにしなければ。。。

 キックのラチェットギアがかなり傷んでいたので交換致します。
 メインドライブギアのレースはスタンダードサイズでしたのでまずは一安心。


 カウンターシャフトのブッシュ点検。
キック側がかなり圧入しろ甘い感じでしたので交換致します。
 いつも同じこと言ってますが64年までのミッションはメインドライブギアのレース交換してスタンダードサイズのベアリングでクリアランスが維持できない場合はメインドライブギアの交換致します。

元のは41.358ミリ。

たぶん無理です。
 アンドリュースの新品は41.382ミリ。

と言うかレースとメインドライブギアを新品に交換してもてもラッピングで修正仕上げしたらクリアランスかなりギリギリなのです・・・。

64年までのミッションはこの部分しっかりしてないと結構すぐにオイル漏れてきてしまいます。






 カウンターシャフト交換。
カウンターギアASSYの内径が・・・

ビックリするくらい広すぎたので程度の良い純正の中古で交換致します。

何となくですがカウンターASSyを新品に交換するならばメイン側も同じく新品に交換したいなと言う理由なのですがそうなると部品代がかなり高額に。。。

と言うことでケースが戻ってくるまでもうしばらくお待ちください。。。
そう言えばプライマリーカバー内部、錆びて塗装が剥がれまくって凄いことになってました。
プライマリーチェーンはオーナー様からリクエストされた今年?新しく発売されたシールドタイプのを使用致します。


2014年12月12日金曜日

スポーツスターのアレコレ作業報告

最近やたらと現行モデルのツインカムのお客さんたちばかり急増してて何かお店のイメージが変わってきた???

とか言われたりしてますが。。。

そういう風に思ってしまってるのはきっとここ数年のMOMしか知らないお客様達だと思います。。。

MOMと言うお店のコンセプトは。。。

お客様主体で旧車でも現行車でもどんな仕事内容でもお気軽にご相談下さい。って感じです。
ちょうど10周年の時に新たにMOMを立ち上げて、技術以外のことでもっと多くのことを学び身につけなければと、いろんなことを我慢して早3年半。

今はまだ無理ですが後もう少しの辛抱です。


HOOLIGAN’S 長期休業中。。。


楽しみです。


こちらN部さんのスポーツスター。

いきなりプラグの写真ですみません・・・。

バイクの写真撮るの忘れてました。。。

オーナー様からお聞きした不具合とプラグの焼け具合から修理内容を探ります。
S&Sのマニホールドってやっぱ内径デカすぎますよね。。。


シール固着で2次エア吸ってましたのでシール交換。
いつものフランジ歪み点検&修正。
キャブレター分解、点検、洗浄。

インター&メインどちらも交換して元より濃いめにセッティング致しました。

中~高速の走りはかなり良くなったと思います。


フロントのマフラー取り付け部から排気漏れ。

前後ともガスケット交換。
・・・

何の写真?


このスポーツスター。

ベルトとプーリーがビックリするくらい外にオフセットされています。。。
スポーツスターですが・・・

なんとリアタイヤ250。

ごっついですねー。

ロッカーでも純正は240です。。。

これはリアアクスルシャフトが全く抜けませんで困ってますの図。
リアのアクスルカラーを製作交換とのご依頼。

確かに…

これはカラーと言うよりただの鉄パイプ切っただけみたいな。。。

強度なさすぎで激しく変形してしまってます。
アクスルシャフトが抜けなかった原因は。。。

かなり曲がっておりました・・・。

交換したくてもこんな長いアクスルシャフト見たこと無いです。。。

と言うことで修正致しました。
そのせいなのかどうなのかはわかりませんが・・・

ホイールベアリングが片側のみ激しく傷んでおりましたので
交換。
元々ホイールセンターがかなり右に寄っていましたがその原因はカラーの採寸ミスではなく・・・

キャリパーサポートを固定するスイングアーム側のステーが出っ張りすぎでキャリパーサポートがこれ以上は左側に寄らない状態でした。

しかもサポートとスイングアーム間のカラーはそれより短くてアクスルナットを無理やり締め付けてスイングアームもサポートも斜めにまがってしまうような状態でした。
それが原因でアクスルシャフト曲がってしまったのでしょうか???
と言うことでキャリパーサポートのステーを白いラインの辺りで切断加工。
切り取った部分は鉄板溶接して蓋します。
それに合わせてカラー採寸、製作。
フロントフォークのスプリング交換。

今回もトラクテックのスプリングです。


こちらF井さんのスポーツスター。


赤いブレンボ。
オーナー様が描いてきた図面をもとに佐川氏とオーナー様が何やかんや打ち合わせて・・・

図画工作開始。
こんな感じの作るらしいです。
アルミの材料カットして。。。
溶接



完成後の写真がこれしか無かったです。。。

すみません。


こちら車検&カスタムのHさんスポーツスター。

まずはフロント回りから
今回リアはブレーキホース&オイル交換のみ。
ブレンボのブレーキディスクに交換。

キャリパーもブレンボ。
そしてまたしてもフォークスプリングはトラクテックの。

最近ほんまこのバネ多いですね、
リアプーリーはトランプ製のに交換。

順番めちゃくちゃですが。。。

リアキャリパー洗浄点検。
パッド周辺も洗浄&メンテナンス。
同じくフロントも・・・?

何かおかしいと思ったら・・・

Hさんのはリアホイールとプーリーの写真まででリアキャリパーからはT内さんの883車検整備の写真でした。。。





スロージェット交換。

濃くしました。
マニホールドまでバラしてシール3点セットで交換。
これまたトランプ製のリアプーリーに交換。
良い感じです。
こちらのスポーツスターも
トランプ製プーリーに交換。

このプーリーとトラクテックバネ、ほんま最近多いですねー。




こちらスポーツスター違いますがKさんのV-ROD.



フロントのエキパイが擦るから加工してくださいとのご依頼。

この手の加工は佐川氏の得意分野ですね。

お預かりせずにその場で加工開始。


フロントのエキパイ切断してジョイント部の角度変えて。。。


これで擦る心配なさそうです。