2014年12月9日火曜日

EVO FXRにヘビーウエイトのストローカーを組みました。 クランク編

相変わらずブログ全く更新できずに申し訳ございません。

ここ2年くらいEVOのエンジンオーバーホールのお問い合わせが
どんどん増えてきてますがEVOの場合、せっかく腰下までバラすのなら
ノーマルのままのオーバーホールでは無く何かやりたいと言うリクエストが多いです。










ビックボア、ストローカー、ビックバルブ、ハイカム、ハイコンプピストン等々
お客様からのリクエストは多数ありますが・・・

要するに速くしたいと言うチューニング系リクエストが多いです。

しかし単に速いだけでは無く、面白い乗り味(エンジンのフィーリング)にしたい
と言うリクエストがあまりないのが残念です。

今回のFXRはエンジンぶっ壊れた状態で入庫していたのですが
オーナー様からのリクエストはビックボアのストローカー。

途中まではリクエスト通りで作業進めていましたが

ただ単に速くするだけでブンブン回るエンジンは面白くないですよ・・・

と言うことで、ストローカークランクの重量増しでトルクフルなエンジンをお勧め致しました。

ストローカーにヘビーウエイトクランク、ビックボア、ローコンプ、ビックバルブ、
カムは控えめにアンドリュースのEV27.

(ビックバルブはあまり好きじゃないのですが今回使用するヘッドが既にビックバルブに加工されていました。。。)

どんなエンジンになるか非常に楽しみです。

 まずはクランク側面を削ってウエイトリングをベタっと貼り付ける面積を増やします。
 何ミリ削ったか・・・忘れました。
 今年の初め頃にやったS&Sの1200用クランクにウエイト増しは・・・

ちょっとリング幅が大きすぎたかなと言うことで今回は少し小さめにしました。
 左S&S、中S&S+ウエイトリング、右ショベル純正(左側)

クランクの総重量、厚みをショベル純正くらいに合わせてみました。

ちなみにクランク重いと振動キツい。クランク軽くすれば振動減る。。。と言う考え方は私の中には無いです。

クランクの重量と振動は、あまり関係ないような気がします。
 フライホイールワッシャーも勿論取り付け出来るよう加工致しました。
 今回クランクがS&Sで重量増し、ピストンがビックボア用と言うことでデータが全く分からないため、ピストン、コンロッド、クランクピン等々の重量測定から3パターンくらいのバランスファクターで計算しそれぞれのウエイトを付けて現状でどこら辺が重いのか軽いのかを比べて。。。

あまり穴開けなくて良さそうなウエイトでバランス取り致しました。

ここでもバランスファクターが何パーセントで振動云々と言うのは特に気にしていません。


 ピストンピンブッシュ交換。

コンロッド側の内径測定して
 ブッシュ測定して。。。
ブッシュ外周を加工してから圧入
 続いてピストンピン測定
リーマー加工

点検。
点検。
コンロッドレース内面研磨にクランクピン&ベアリング測定で仕上げ。
クランク組んでいきます。

まずはシャフトの直角確認。
芯出し。

何と・・・

予想を遥かに超えてクランクピンが沈みこんでしまい。。。
 バラして翌朝に加工屋さんにてフライホイールワッシャーを研磨。

左右ほぼ同じだけ研磨したのでバランス取りの影響は。。。気にしません。

今回新品のS&S製クランクケースを使用しますがもちろんケースの左右合わせ、センター合わせ、ピニオンレースのグリグリ加工、クリアランス調整などは全てやり直します。

その為もったいないですがメーカーから出荷時に組み込まれているレフトケースのベアリングレースなどは取り外して捨てます。。。
 カムカバーは元の純正のを使う予定でしたが。。。

ピニオンブッシュを圧入する部分、しかもオイルラインがある部分が。。。

酷いことになってます。

割れたとかではなく何やら完全に腐食したみたいになってます・・・
 と言うことで急遽カムカバー交換。

私のEVO用にと15年くらい寝かせていたS&S製カムカバー。

まずはカム&ピニオンブッシュを圧入。
 リーマー。
 カム、ピニオンシャフト&ベアリングなど仮組で点検。

 レフトケースにベアリング組み付けます。
 レース圧入してしばらく放置。

温めたケースが冷めたらベアリング仮組で点検。
ガタが多かったのでスペーサー交換。
 向かい合うベアリングの間にハマるスペーサーです。
 続いてクランクケース内側とフライホイールが干渉してないか慎重に点検。

慎重とか言う以前に・・・
 干渉しまくってたのでケース内側ひたすら加工。

S&Sのクランクケース、EVO用はケース内側の肉厚がかなりあるんですね・・・。

ナックル、パン用だと今回より分厚いフライホイールでも干渉してなかったのですが。。。
 順番間違えましたがカムとピニオンギアのマッチング点検。


 カムのスラストと
 ブリーザーギアのスラスト調整。
 オーナー様お持込みのS&S、HVHPオイルポンプ。

ただでさえデカいS&S製オイルポンプ。

このHVHPはそれよりも更にデカい。。。
 ギアも何やらごっついですね。。。

左は通常のS&Sオイルポンプのギア。

右4つは今回のHVHPオイルポンプ専用ギア。
 ピンボケですみません。。。

とにかく戻り側のギアの厚みが半端なくデカいです・・・。
と言うことでかなりオイルポンプが出っ張るのでFXRの場合オイルホースのフィッティングをかなり外側に向けないとホースがミッションケースに干渉して取り付け出来ないくらいでした。


そんなこんなでクランク編は以上です。