2016年8月21日日曜日

Sさん 95ダイナ エンジンオーバーホール

これまただいぶ前の作業報告ですが
奈良県のSさんEVOダイナ。 他店でエンジンオーバーホールしてからピニオンギアの唸り音などが気になるとの点検修理のご依頼から始まって・・・

これエンジン何かおかしいですよねってなって全バラ・・・

エンジン冷えてる時やたらとセルの回りが悪いのと低回転時のノッキングのような症状。

前回のオーバーホール時に組まれたS&Sのクランク。

コンロッドベアリング等はそのまま組まずラッピングされてクリアランス詰められておりましたが・・・

常温時でクリアランスがキツ過ぎてコンロッドが動かないくらいでしたので先の症状はまずこれが原因かと思われます。

ピストンピンブッシュとピストンピンのクリアランスが狭すぎても同じような症状なったりします。
いろいろクランクの話などしておりましたらSさんもフライホイール重量増しでトルクフルなエンジンってのに興味津々で・・・


ウエイトリング圧入。

右は以前作業報告してたMさんの91FXR.

一番左のはKさんファットボーイに組んだショベルの純正。
カムカバー部のノックピンがなにやらおかしい感じなのとクランクケースのカムカバー座面が歪んでるので面研磨修正。
ここが歪んでたりノックピンの状態悪かったりしたら左右センター合わせのグリグリラッピングにも支障がでます。
写真が無かったですがグリグリラッピングとベアリング選定、測定等など














順番間違えました。。。

クランクバランス取りももちろんやり直してます。


カムカバーも合わせ面の歪みが酷かったので面研磨修正とカム&ピニオンブッシュ入れ替え
リーマー&ホーニング後にシャフトとベアリング、カム仮組点検。

これでやっと前回エンジン分解する前に直しきれなかったカムとピニオンギアの異音が無くなりそうです。




また同じ写真使いまわしてますが。。。


コンロッド8個同時にやってたら当然同じ写真が8回は登場します・・・

ピストンピンブッシュ交換、リーマー。

コンロッドレースラッピングなどなど。
ベアリング選定測定などなど。

コンロッドレースのクリアランス確認はシャフトやベアリングとレースの温度を確認しつつ慎重に・・・

実は私も組んだ後でクリアランスがキツ過ぎて後で全バラしてコソッとやり直しました。。。

って経験があります・・・
芯出し。

確かコンロッドをS&SからEVO純正に変えたような記憶が。。。
芯出し前のいつもの最終増し締めOKの図。
同じく。

フライホイールワッシャー取り付け加工は前回のオーバーホール時にされておりました。

この加工された加工屋さんは私もよく知ってるお方なのでそのままでも大丈夫です。

 クランクケースのシリンダーデッキ面を面研磨修正。

前回のオーバーホール時、オーナー様が気になると言っておられたスタッド穴周辺のアルミパテ修正部、大丈夫だと思います。
 レフトケースのベアリング&レース交換。

真ん中のリングのバリ取り面取り後
レース圧入してクリアランス調整。

クランクをケースに組み込みます。

EVOの場合こんな感じでシリンダーとヘッドも仮組でクランクケース合わせて組んでます。


前回組まれてたS&Sのオイルポンプ。

点検。

おそらくは新品そのまま組み付けられた感じでしたので各部修正。

シールテープ巻き巻きのフィッテイグは完全にユルユルで動いてしまっていたので
シールテープは取りはずててしっかりと締め直しました。

元の状態よりプラス2回転締まってます。

シリンダーはかなり怪しいことになっていたので純正中古に交換。

上下面共に面研してます。
ピストンもKBに交換してボーリング&ホーニング。

オーバーサイズのピストンリングからギャップ調整。
バルブは交換されてませんでしたが
だいぶあかん感じでしたので交換
バルブシートカット摺り合わせ等々。
バルブはいつものKPMブラックダイアモンドです。
バルブシールはバイトンのこれ使ってます。
ピストンリングはいつも通りひたすらバリ取り面取りなどなど
シリンダー内部、これでもかっていうくらいひたすら洗浄後、さらにひたすら拭き拭き。

けっこう頑張らないと汚れ取り切れません。

ゴシゴシやって白いウエスに汚れが付かなくなるまでひたすら拭き拭きします。
ピストンもひたすらバリ取り等修正後、しっかり洗浄。
EVOでも基本的にはKBのピストン使ってます。
 今のところこのピストンで納車後なにか不具合があったことはありません。

が。。。







組み付け前にはかなーり慎重に各部点検しといた方が良いです。



EVOのシリンダー下面を面研する場合はスリーブの段になってる鉄の部分のみ若干アンダーで研磨してます。
EVOの純正シリンダーベースガスケットって何故にシリンダー下面よりあんなに小さいのでしょうか、、、とか思ってましたが

いつも使ってるこのサイコ製FMガスケットは。。。
どう考えてもデカすぎかと。。。
新品で組まれていたS&Sのタペットも念のため分解点検。

この時は気が付いてなかったのですが1個だけ不具合あって・・・


燃焼室加工されて圧縮比下がってましたが問題ないと思います。
ロッカーアームブッシュ
シャフト
状態悪かったので2か所?純正中古と交換。









EVOもけっこうこの辺の組み方が・・・














結構大事です。

簡単に組んで締めてでは後々不具合でること多いです。
と言うことで
最後までしっかり慎重に。
オイルタンク洗浄。。。ですが

ドレンが前方にあるのでロングフォークだとかなり大変です・・・

フロントフォークをギリギリまで突き出してもこんな状態・・・
後で考えたらフロントホイール外せば良かったなとか。
オイルタンク内部、結構ゴミいっぱいでした。










マニホールドのフランジシール部、鋳型がかなり悪くて恐らくこのままではすぐに2次エア吸ってしまいそうなんで修正しました。
シフターのシャフト部、錆び錆びでしたので磨きました
各部増し締め点検等
何故かこの頃のダイナに多いセルのギアとクラッチ側のリングギアのアタリが悪くてリングギアが傷みやすいという症状。

リングギア加工修正しました。







 そんなこんなでテスト走行開始。



直後に。。。

タペット音異常。
分解点検。

1ケ所油圧リフターが下がったまま固まってます・・・
改めて分解点検。

製造時のバリみたいなのがリング状に取れて油圧リフターに噛みこんでました。

こんな酷いバリがあったっけ???
と。。。先に分解点検した時に気付けませんでした・・・
何か気持ち悪いですがその1ヶ所のみ新品に交換。

点検点検・・・







で、無事納車して少ししてから

何やら突然車体の振動が激しくなって変な異音が。。。

と言うことで緊急入庫で点検。

なんとリア側エンジンマウントが・・・
バラバラに粉砕してました・・・

左は新品。
マウントの交換は佐川氏にお任せ。

何やら大変そうです。。。
上からチェーンブロックで車体後ろ側持ち上げつつのマウント交換でした。
 そんなこんなでEVOだらけだった頃の作業報告も残りはKさんファットボーイとNさんS&S FXRの2台となりました。
こんな状態で写真いっぱい取り残してたらそら何が何だかわからなくなっちゃいますね。。。

できるだけ溜めずに更新するよう心がけます。。。