昨年に分解点検した時点でいきなりやる気無くなってしまいそうになってしまうくらい激しく加工されていた左右のクランクケース。
左右ともレースが圧入されるセンターの穴が作り直されていて左右のセンターがかなりズレていました。
ケースの歪みも酷くさらにはレフトケースベアリングのレースが緩々で空回りしててケースとフライホイールが激しく干渉してしまってたりでケース交換するかどうかでかなり悩んでいましたが。。。
機械加工屋さんに何とか無理言ってダメもとで左右のセンター穴を開け直してもらって
レフトケースのレース圧入部分はスリーブ製作圧入して修正はできました。
ピニオン側も最悪はスリーブ製作圧入してSTDサイズのレースを入れる予定でしたが何とかギリギリ一番大きなオーバーサイズのレースでいけました。
左右ケースの合わせをほんの少しですが修正研磨してから左右センター合わせのグリグリラッピング開始。
いくら機械加工でセンター穴を開け直したと言ってもそんな簡単にOK完璧ってなるわけでは無く。。。
ここからは現物合わせで何度も点検しながら少しずつ慎重に慎重に・・・。
なかなか大変です。
何度も点検しながら。。。
実はこの時点ではまだこのクランクケースが使用できるかどうかは決定できていません。
1つ1つ加工修正しながらの判断になります。
この年式らへんのピニオンシャフトと、、、
このベアリング。
苦手です。。。
カムカバーも溶接もりもりされててかなり歪んでいたので面研して点検。
ブッシュ入れ替えます。
純正のカムカバーではあまり使用することないのですが
今回はいろいろ考えた結果ピニオンブッシュはスモールIDを使用しました(通常のブッシュより内径が小さいやつです)
圧入前に。。。
測定点検。
このピニオンブッシュはオイル穴無いので圧入前に穴開けておきます。
スモールIDのブッシュの場合、いつものラインリーマーでは無く機械加工でブッシュ内径仕上げたいのですが。。。
このリーマーでも慎重に慎重に。。。やれば何とか出来ないこともないです。
切削してる量が半端なく多いです。。。
何とか。。。とか言いながら2回失敗して3回目でやっと完成。
ブッシュ2個もゴミにしてしまいました。。。
シャフトとベアリング仮組で点検。
ギリギリ。。。何とか大丈夫そうです。
今回もS&SのレプリカHカムを使用する予定でしたが。。。
いつまで経っても部品が入荷せずでどうしようか困ってたら。。。
「ええのあるで!」
と言ってくれたのはHOT CHOPのケンタロー氏。
なんと65FL純正の超極上カムでした。
いつもありがとうございます。
早速ピニオンギアとのマッチングを。。。
と、思ったのですが何故か良い感じで合うのが無く。。。
いつもと逆ですがカムギアをアンドリュースのに交換してピニオンギアと合わせました。
点検。
良い感じです。
ピストンピンブッシュ交換
リーマー。
ロッドベアリングのレース研磨で仕上げていきます。
これは・・・
8台分くらいまとめてやってた時なのでかなり前です。。。
冬だったような・・・
ロッドローラーのレースは温度差の影響受け易いのでクリアランス狭い目に仕上げる時は温度管理がかなり気になります。。。
バランス取りはいつも通り出来るだけ穴無い状態で、、、
と思ったのですが何故がこのクランク、いつもよりかなりクランクピン側が重いです。。。
ウエイトの重量がいつもよりだいぶ軽いですが大丈夫なんでしょうか。。。
クランクケースと干渉しまくってた痕跡。
ケース側も・・・
現状ではクランクケースにクラック無いですがどれくらいダメージがあって今後どのような影響があるのかは・・・わかりません。
何事も無いことを祈りつつ・・・
シャフト組んで直角出し調整。。。
ですが。。。
全くうまくいきません。
そしてこの過去の芯出しで激しくどつかれまくっている痕跡。
シャフトを何度調整してもちょうどこの部分を激しくどつきまくらないと芯出し出来ないのが納得できるような感じになってしまいます。
と言うことでシャフトが直角出てないまま組まれて芯出しされていたのだと思います・・・
しかもこちら側のフライホイールはクランクピンのテーパー穴もかなり傷んでおり・・・
こんなアタリ加減です。
これ見たら芯出し無理かも。。。って思ってしまいます。
何とか加工修正して芯出し頑張りますが・・・
何かがおかしい。
あとで気が付いたのですがこのフライホイール両側が旋盤で削られており
もしかしたら少し斜めに削られているのかもしれません。
そうなるとフライホイールとシャフトの直角出しやっても意味ないことになってしまい・・・
クランク芯出し激しく苦労します。
何度もバラシて組み直して芯出しやり直して・・・
恐らくシャフトの角度はここが正しくて、でもそれでは直角でないからと現物合わせでフライホイール側面を少しだけ削り直してバランス取りもやり直して・・・
とかやってたらとんでもない時間を費やしてしまいました。
それにしてもピックゲージってなんでこんなにシビアなんでしょうか?
ダイヤルゲージでは何度測り直してもシャフトの振れほぼゼロって言う状態でもピックゲージでは1/100ミリ以上振れてます。
と言うことでピックゲージで計測して1/100ミリの振れならヨシとしています。
ケースレース圧入してベアリング仮組でスラスト点検調整。
ガタガタです・・・
どうしてもちょうど良いサイズのスペーサーが無かったので旋盤で少し切削加工しました。
それにしてもこういう部品は旋盤のチャックでしっかり加えるの難しいです・・・
クランク芯出しと激しく格闘しながらも何とかやっとここまで組め・・・ませんでした。
ケース合わせてシリンダー仮組でクランクの回り具合確認しつつ少しずつケーススタッドのナット締めていくのですが。。。
最終増し締めしたらクランク全く回りません・・・
なぜ??
しかもシリンダーが抜けなくなってしまいました。。。
どうやら過去にケースの合わせ面、かなり面研磨されててシリンダーのスリーブ部がはまる穴がかなり小さくなってました。
と言うことでシリンダーを加工。
かなり切削しないとシリンダーがハマらなかったのですが。。。
謎です。
元々この状態で組まれて走ってた車両なんですが。。。
もちろんシリンダーを他の車両と間違えたわけでは無いです。
どんな状態で走ってたのかと考えたら恐ろしいです・・・
で激しく斜めにケース組んでしまったせいなのかバラして確認したらせっかくの芯出しが。。。。
狂ってました。
と言うことで全バラして両側シャフトの直角出しからやり直してまた芯出しと激しく格闘して。。。
やっとここまで組めました。
クリアランスは広げず無事に軽く回っているのでとりあえずは一安心です
写真撮り忘れてしまいましたがケース側のカムブッシュ、
元のがノックピン無く空回りしててケースのブッシュ穴が激しく摩耗していたので機械加工で穴修正。
そんな大きなオーバーサイズのブッシュは無いと言うことでブッシュ製作して圧入。
ブリーザーホールの奥の方が傷だらけだったりガタガタだったりでしたのでこちらも機械加工にて穴開け直してオーバーサイズのブリーザーギアに交換致しました。
とにかく何もかも大変すぎる感じでかなり予定狂って時間かかってしまいましたが。。。
どの車両に関してもこういうことはよくあるのですと何とかご理解頂きたいのですがなかなか・・・
辛い仕事です。ハイ。
それでもご理解頂けず、ただただ早くやれよと言われたら
あっちもこっちもドドーンとクリアランス広めにして組み直せば
少々センター狂っていようが芯出しが甘かろうがクランクは軽く回って
ハイ出来ましたって簡単に言えるのですが・・・
そうするくらいなら。。。
無理です、それで組むくらいならもう持って帰ってどっか他店で組んでもらってくだい。
って言いたくなってしまいます。
と言うかここ最近で数人のお客様にそう言ってしまって
途中で作業やめて仕事断ってしまいました、すみません。
何かとイライラしがちで良くない最近ですが。。。
落ち着いて作業頑張ります。。。