2015年6月14日日曜日

57FL クランクオーバーホール

こちら愛媛県のBさんの57FL。

昨年に分解点検した時点でいきなりやる気無くなってしまいそうになってしまうくらい激しく加工されていた左右のクランクケース。
 左右ともレースが圧入されるセンターの穴が作り直されていて左右のセンターがかなりズレていました。

ケースの歪みも酷くさらにはレフトケースベアリングのレースが緩々で空回りしててケースとフライホイールが激しく干渉してしまってたりでケース交換するかどうかでかなり悩んでいましたが。。。
 機械加工屋さんに何とか無理言ってダメもとで左右のセンター穴を開け直してもらって

レフトケースのレース圧入部分はスリーブ製作圧入して修正はできました。
 ピニオン側も最悪はスリーブ製作圧入してSTDサイズのレースを入れる予定でしたが何とかギリギリ一番大きなオーバーサイズのレースでいけました。


 左右ケースの合わせをほんの少しですが修正研磨してから左右センター合わせのグリグリラッピング開始。

いくら機械加工でセンター穴を開け直したと言ってもそんな簡単にOK完璧ってなるわけでは無く。。。

ここからは現物合わせで何度も点検しながら少しずつ慎重に慎重に・・・。
 なかなか大変です。
何度も点検しながら。。。

実はこの時点ではまだこのクランクケースが使用できるかどうかは決定できていません。

1つ1つ加工修正しながらの判断になります。
この年式らへんのピニオンシャフトと、、、
 このベアリング。

苦手です。。。


カムカバーも溶接もりもりされててかなり歪んでいたので面研して点検。
 ブッシュ入れ替えます。

純正のカムカバーではあまり使用することないのですが
今回はいろいろ考えた結果ピニオンブッシュはスモールIDを使用しました(通常のブッシュより内径が小さいやつです)


 圧入前に。。。
 測定点検。
このピニオンブッシュはオイル穴無いので圧入前に穴開けておきます。
 スモールIDのブッシュの場合、いつものラインリーマーでは無く機械加工でブッシュ内径仕上げたいのですが。。。

このリーマーでも慎重に慎重に。。。やれば何とか出来ないこともないです。
 切削してる量が半端なく多いです。。。
 何とか。。。とか言いながら2回失敗して3回目でやっと完成。

ブッシュ2個もゴミにしてしまいました。。。
 シャフトとベアリング仮組で点検。

ギリギリ。。。何とか大丈夫そうです。
今回もS&SのレプリカHカムを使用する予定でしたが。。。

いつまで経っても部品が入荷せずでどうしようか困ってたら。。。

「ええのあるで!」

と言ってくれたのはHOT CHOPのケンタロー氏。

なんと65FL純正の超極上カムでした。

いつもありがとうございます。
 早速ピニオンギアとのマッチングを。。。

と、思ったのですが何故か良い感じで合うのが無く。。。
 いつもと逆ですがカムギアをアンドリュースのに交換してピニオンギアと合わせました。
 点検。

良い感じです。
ピストンピンブッシュ交換
 リーマー。


 ロッドベアリングのレース研磨で仕上げていきます。

これは・・・
 8台分くらいまとめてやってた時なのでかなり前です。。。

冬だったような・・・
 ロッドローラーのレースは温度差の影響受け易いのでクリアランス狭い目に仕上げる時は温度管理がかなり気になります。。。


バランス取りはいつも通り出来るだけ穴無い状態で、、、

と思ったのですが何故がこのクランク、いつもよりかなりクランクピン側が重いです。。。

ウエイトの重量がいつもよりだいぶ軽いですが大丈夫なんでしょうか。。。
 クランクケースと干渉しまくってた痕跡。
 ケース側も・・・

現状ではクランクケースにクラック無いですがどれくらいダメージがあって今後どのような影響があるのかは・・・わかりません。


何事も無いことを祈りつつ・・・
 シャフト組んで直角出し調整。。。

ですが。。。
 全くうまくいきません。

そしてこの過去の芯出しで激しくどつかれまくっている痕跡。
 シャフトを何度調整してもちょうどこの部分を激しくどつきまくらないと芯出し出来ないのが納得できるような感じになってしまいます。

と言うことでシャフトが直角出てないまま組まれて芯出しされていたのだと思います・・・
 しかもこちら側のフライホイールはクランクピンのテーパー穴もかなり傷んでおり・・・
 こんなアタリ加減です。

これ見たら芯出し無理かも。。。って思ってしまいます。

何とか加工修正して芯出し頑張りますが・・・

何かがおかしい。

あとで気が付いたのですがこのフライホイール両側が旋盤で削られており
もしかしたら少し斜めに削られているのかもしれません。
 そうなるとフライホイールとシャフトの直角出しやっても意味ないことになってしまい・・・

クランク芯出し激しく苦労します。

何度もバラシて組み直して芯出しやり直して・・・

恐らくシャフトの角度はここが正しくて、でもそれでは直角でないからと現物合わせでフライホイール側面を少しだけ削り直してバランス取りもやり直して・・・

とかやってたらとんでもない時間を費やしてしまいました。
それにしてもピックゲージってなんでこんなにシビアなんでしょうか?

ダイヤルゲージでは何度測り直してもシャフトの振れほぼゼロって言う状態でもピックゲージでは1/100ミリ以上振れてます。

と言うことでピックゲージで計測して1/100ミリの振れならヨシとしています。



 ケースレース圧入してベアリング仮組でスラスト点検調整。

ガタガタです・・・
 どうしてもちょうど良いサイズのスペーサーが無かったので旋盤で少し切削加工しました。

それにしてもこういう部品は旋盤のチャックでしっかり加えるの難しいです・・・
 クランク芯出しと激しく格闘しながらも何とかやっとここまで組め・・・ませんでした。

ケース合わせてシリンダー仮組でクランクの回り具合確認しつつ少しずつケーススタッドのナット締めていくのですが。。。

最終増し締めしたらクランク全く回りません・・・

なぜ??

しかもシリンダーが抜けなくなってしまいました。。。
 どうやら過去にケースの合わせ面、かなり面研磨されててシリンダーのスリーブ部がはまる穴がかなり小さくなってました。

と言うことでシリンダーを加工。


 かなり切削しないとシリンダーがハマらなかったのですが。。。

謎です。

元々この状態で組まれて走ってた車両なんですが。。。

もちろんシリンダーを他の車両と間違えたわけでは無いです。

どんな状態で走ってたのかと考えたら恐ろしいです・・・
で激しく斜めにケース組んでしまったせいなのかバラして確認したらせっかくの芯出しが。。。。

狂ってました。

と言うことで全バラして両側シャフトの直角出しからやり直してまた芯出しと激しく格闘して。。。

やっとここまで組めました。

クリアランスは広げず無事に軽く回っているのでとりあえずは一安心です




写真撮り忘れてしまいましたがケース側のカムブッシュ、

元のがノックピン無く空回りしててケースのブッシュ穴が激しく摩耗していたので機械加工で穴修正。

そんな大きなオーバーサイズのブッシュは無いと言うことでブッシュ製作して圧入。
ブリーザーホールの奥の方が傷だらけだったりガタガタだったりでしたのでこちらも機械加工にて穴開け直してオーバーサイズのブリーザーギアに交換致しました。

とにかく何もかも大変すぎる感じでかなり予定狂って時間かかってしまいましたが。。。

どの車両に関してもこういうことはよくあるのですと何とかご理解頂きたいのですがなかなか・・・

辛い仕事です。ハイ。



それでもご理解頂けず、ただただ早くやれよと言われたら

あっちもこっちもドドーンとクリアランス広めにして組み直せば
少々センター狂っていようが芯出しが甘かろうがクランクは軽く回って
ハイ出来ましたって簡単に言えるのですが・・・

そうするくらいなら。。。
無理です、それで組むくらいならもう持って帰ってどっか他店で組んでもらってくだい。

って言いたくなってしまいます。

と言うかここ最近で数人のお客様にそう言ってしまって
途中で作業やめて仕事断ってしまいました、すみません。

何かとイライラしがちで良くない最近ですが。。。

落ち着いて作業頑張ります。。。


2015年6月1日月曜日

77年 ショベル FLH FOR SALE

委託販売車両の紹介です。

 1977年式 ショベルのFLH(2A....H7)

かなり純正度高くとても綺麗な車両で調子も良さそうです。

エキパイと社外品のキックカバーに交換されていますが元の純正もお付けいたします。

元のミッションサイドカバーはキック無しタイプです。

車検約1年残ってます。

後で動画も更新致します。
 委託販売なので基本的には現状販売ですがご希望あれば車体点検整備してからのお引き渡しも可能です(別途約10万円)

委託販売価格 税込156万6千円。

今の円安と車両のコンディションからすればかなりお買い得な金額だと思います。
 所々オイルの滲みありますが漏れてると言うほどでは無く走行にも問題無いレベルだと思います。

タペット調整はやった方が良いと思います。

現在リアブレーキマスターからオイル漏れてますがこちらは現オーナー様からの依頼で修理してからのお引き渡しになります。

こちらの修理費用は現オーナー様から頂くので追加請求はありません。


 純正のセルオンリー用エキパイはリアの取り回しが少し異なりキックは装着できません。
 ツアラーバック等も状態悪くないです。
 見た感じエンジン&ミッションはオリジナルです。








 フロントカウル少し汚れて小傷ありますが磨けばそこそこ綺麗になるとおもいます。

委託なので磨かずそのままにしています。
 下回りも特にオイル漏れてるという感じはないです。

こちらエンジン下で
 こちらはミッション下。

タイヤは前後ともシンコーの16インチ。


フロントはまだまだ使用可能です
リアはそろそろ交換した方が良いと思います。

タイヤ交換のご依頼もお受け致します。

別途タイヤ代と工賃8640円必要です。

この手のショベルのFLHはリアタイヤ交換工賃が他の車両より少し高くなってしまいます。

しばらくは当店に置いていますので事前連絡頂ければ現車確認、エンジン始動確認OKです。

事前連絡なしの急な来店はご遠慮願います。

2015年5月20日水曜日

2006年式ツアラーのインナーレース

 インナープライマリーからのオイル漏れ修理でお預かりしたSさんの06年FLHX

 メインシャフトのインナーレース、ここは圧入されてて専用工具で脱着するのですがスポっと抜けちゃいました。

なんとインナーレースが真っ二つに割れていました。

こんなこと初めてです。。。

 プライマリー部オイルシール2個とベアリング交換致しました。

ここで1つ疑問が。。。






このインナーレースとベアリング、EVOの頃からこの06年の5速ミッションまでは共通のはずなのですが(ダイナは06年から6速なのでレースとベアリング、メインシャフトが変更されてます)
ソフテイル系は06年では共に変更無し。

ツアラー系は06年だけインナーレースのみ6速用でベアリングは5速用。

純正パーツカタログでもそう記載されています。

しかし5速用と6速用のインナーレースは寸法変わってベアリングも変更なったのでは・・・?

と言うことで純正の新品で改めて計り比べます。

外径は5速用の方が大きく。。。
 内径も5速用の方が広いです。

と言うことは当然5速のメインシャフトに6速用のインナーレースを圧入するとキツいです。

だからインナーレース割れていたのでしょうか?

ちなみに06のツアラーのメインシャフトはそれ以前のと同じです。







新車から今回初めてこの部分を分解したので元々6速用のインナーレースが組まれていたのだと
思いますが(パーツカタログでもそう記載されていますし)

何故06年のツアラー系だけこうなっているのでしょうか???

ハーレージャパンにこのことを質問したら

「質問内容の意味がわかりません」

と言う素敵な回答しか貰えませんでした。

どう考えても納得できないので今回インナーレースは5速用のを組み付けいたしました。

これが何か意味があるのか単に間違いなのか知っている方いれば教えてください。


最近やたらと続いたプライマリー部からの異音と言う不具合。
セル回した時やエンジン止めた時にガラガラかゴロゴロっと一瞬異音がしたり走行時は異状なくアイドリングではゴロゴロガラガラと異音する原因はほとんど全てエンジンスプロケットのナットが緩んでいます。

これは出来るだけ早く修理しないとかなり大変なことになってしまうので気になる方は早めに点検することをお薦め致します。

初期緩みの場合は走行時アクセル戻してエンジンブレーキかかった時にゴロゴロっみたいな異音が一瞬聞こえます。
ここが緩んだまま走行続けるとステーターローターが激しく摩耗し使用不可能になります。

ここのスプライン部がいたんだり。。。
スプロケットシャフトのスプライン部が傷んだりするとどれだけ増し締めしっかりしてもすぐにまた緩んでしまいます。

MOM  

↑↑↑ 昨年ブログに書いた時の車両の場合、もはや手遅れでエンジン全バラ、クランク交換になってしまいます。こちらのはオーナー様からの依頼でとにかく何とか応急処置でとの事でしたので無理やり修理致しましたが。。。

因みにその車両、他店で売りに出されたとか何とか噂で聞きましたが大丈夫なんでしょうか。。。
今回シャフトの摩耗は何とかOKレベルでしたが少し段付き摩耗、バリありましたので修正致しました。
 ステーターローターは純正を使用致しました。
 この辺も摩耗酷かったので交換。
 スターターのリングギアとスターターギアのアタリが悪くリングギアが激しく傷んでました、
 今回は研磨修正で何とか。。。
こちらもバリなど加工修正。

エンジンスプロケットが大きいのに交換されていたのですが。。。
 こちらプライマリーチェーン。

普通こんな感じです。
 しかしエンジンスプロケットとセットで販売されているこのプライマリーチェーン、

リンクが半チェーン分のみ延長されててこの部分当然こんな感じの折れ方です。

大丈夫なんでしょうか、、、これ。
クラッチ部、洗浄点検。
 このプライマリーチェーン、あまり精度がよくなくてチェーン調整したら緩いとことキツいとこの差がだいぶありました。

ギリギリ。。。緩めのとこで合わせたので部分的には緩すぎるところがあります。

チェーン調整される場合は注意して必ず1周回して数か所でテンションを点検してください。
エンジンのクランク部オイルシール交換
ミッションはメインドライブ部、5速エンド部、シフターシャフト部のオイルシール交換。


 メインシャフトのスプライン部、かなりバリなどありますのでこんな感じでオイルシール組み付けては危険です。

 シフターシャフト部も同じです。
今回シール類は全てジェームス製を使用しています。

最近ツアラー系のお客様もかなり増えました。

しかしデカいですね・・・

2台お預かりするだけでも焦ります・・・


2015年5月2日土曜日

予定変更

5月の連休ですが

明日は朝から来客予定あるので店にいますが
朝一の納車後は昼まで留守です。

明後日からはもしかしたら留守かもしれませんので
来店される予定の方は必ず事前にご連絡お願いします。

連休中バイクや車で出かけられる方
くれぐれも事故には注意してくださいね。

とは言え安全運転でゆっくり走ってても思いがけない事故に巻き込まれてしまえば意味ないですが・・・。

いくら相手の車が悪い事故でもお客様から預かっている大切なバイクを壊してしまったと思うと
もうどうしようもなく気が滅入ってしまいます。


明日の納車を長く楽しみに待ってて頂いていたのに
本当に申し訳ございません。

連休開けに保険屋さんが確認来るらしいので
その後何よりも大至急修理致します。