2012年3月13日火曜日

ショベルのピストンなどの点検

業者様のショベルのエンジンリビルト、昨日の残りの作業報告です。

新品で組まれていたシリンダーとピストンのチェックです。

まずはトルクプレートなる物をシリンダーに組み、実際にエンジン組んでる状態と同じトルクで締め付けます。






計測するまでもなかったんですけどね・・・

ピストンをシリンダーに入れてみたらこんな感じでこれ以上は無理やりじゃないと入らないぐらいキツイクリアランスでした。

それでもエンジンかかってたんだからハーレーって凄い。

ちなみに新品で売ってるピストンとシリンダーのセット。無加工でそのまま使うとこうなります。

ちゃんと仕上げの加工してから組みましょう。

さすがアメリカ人のリビルト済みエンジン。

一応ピストン計測します。














で、シリンダーとのクリアランス計測します。















クリアランスはこんな感じでした。

ピストンは冷えてる状態では丸じゃないですし円柱でもないです。

もしかして上のとこで計測して組んでたんでしょうか?

それでもこのタイプのピストンなら焼きつきそうなクリアランス。

下のクリアランスならウチがいつも使っている精度の良いKBのピストンでも無理なクリアランス。


続いてピストンリングのギャップ計測。















こんな感じでした。

これなら白煙でまくりでも仕方ない。

もしかしたらこれぐらいなら大丈夫と言うショップさんもいると思いますが私は無理です。

ということで電話にてご連絡しましたようにピストンはバリ取り研磨で再生使用、シリンダーは内燃機屋さんに出してホーニングでクリアランス調整。リングは交換してギャップ調整します。

内燃機屋さんのT様よろしくお願いします。恥ずかしいからブログはあんまりマジマジ見ないでね。

ロッカー関係の点検です。















ロッカーアームシャフト4本中1本がオイル穴完全に何かで詰まってたので・・・














ほじくったら何か出てきました。。。

エンジン内部には存在しない材質の物でした。

ウエスとかの糸くずっぽい。











ロッカーアームのサイドスラストはシムでばっちり調整させてましたが例のごとくシムがあんな感じだったので













前回同様これで対策しておきました。

ロッカーアームのサイドスラスト調整は基本的にシムで調整するのが一般的らしいですが私はシムがあーなってこーなってエンジン壊れるのが嫌なのでシム使いません。

今回のここの加工だけでは完璧じゃないのですが。リビルトってことでこれで調整しました。

オーバーホールの時にしっかりとサイドスラスト調整したい時はもう一箇所と合わせての調整になります。

シリンダーとピストンが内燃機屋さんから戻り次第リング調整して発送いたします。
なかなか予定通りにはいかないものです・・・


今日はさっさと帰って今からひたすら家で事務仕事。

あ、ちなみに毎日の仕事の中ででブログにアップしてない作業もいっぱいあります。
すべてを報告するには時間がたりません。。。

2012年3月12日月曜日

ヘッドのりビルト

業者様からの修理依頼のショベルの腰上、
かなり急ぎとのことですがすみません、2日にわけて作業させていただきます。

とりあえず本日はヘッドのみ、2時間以内を目標に作業開始。

エンジンやミッションの修理でオーバーホールとりビルトというのをよく聞くと思いますが
当店では完全な状態での修理がオーバーホール。
バラして点検して必要最低限の修正で組みなおすのをりビルトと私が勝手に決めています。

りビルトは悪く言えば手抜き修理。
といってもわけのわからんショップさんが高い修理代で
完璧に組みましたみたいなオーバーホールよりまともだったりして・・・

まずはバラして点検。

バルブステム(溝があるとこ)が激しく痛んでいて4本ともバルブが抜けません・・・・

ハイカム組んでヘッドまできちんと加工できてない車両でよくある感じです。

今回できればガイドは交換無し前提なので無理に抜いてガイド痛めないようにステムのアカン部分削ってから抜きました。

バルブは交換ですね。。。


激しく歪んでしまっているヘッドを専用治具にセットして旋盤で面研いたします。

本来ここの面研はフライスで加工したいですがまぁ旋盤でも出来ないことはないです。

こういうのもやるのは簡単ですが固定してセットするまでが大変です。

どこを基準にして仕上がりが斜めにならないようにとか。

もちろんどんな状態であれこれで面研すれば面自体はきれいになりますが斜めに傾いて綺麗に仕上がっても意味無いです。

研磨完了。

これで激しくオイル漏れてたのは解消されるでしょう。

よくこういう加工を動画付でアップされてるショップさん多いですがめんどくさいので動画は勘弁してください。

いかにも「どうだすごいだろ」的なブログはあまり好きでないです。




加工後に斜めってないか点検。

いろんな方法でいろんなとこを点検。

とりあえず画像はこれだけですが・・・

もちろん前後のヘッドで同じようになるよう確認します。











この測定工具、買ったとき目盛りの数値間違えてしまいました。

一目盛りが1000分の1ミリ。
クランク芯出しの時にこれ使うとわけわからんくなってパニックなります。。。

こういうのは一目盛り100分の1ミリので充分です。






燃焼室内綺麗にしてから次はバルブシートの再生。シートカットっていうやつです。

まず基本となる部分の面を専用工具で綺麗にカット。











光明丹という物でバルブとシートのアタリ位置と幅を点検し・・・

角度の異なるシートカッターでアタリ位置と幅を整えます。

基本的に3つの角度で構成されているので3種類のシートカッター使います。

以前、先輩に教えてもらった某メーカーのシートカッターを早く買いたいですがまだまだ買えそうにありません・・・

20万円ぐらいでしたっけ・・・?

カット完了後あらためて光明丹にて確認。

やること簡単なんですが10年ぐらい前この加工練習し始めたころはなかなか上手くできず1個加工するのに何時間もかかってました・・・










次はバルブのすり合わせ。

ひたすらスリスリして

仕上げはバルブラッパーとかいう工具でラッピングしてアタリを出して完了。


この工具、もう14年ぐらい使ってますがなかなか丈夫ですねぇ・・・

やはり日本製は高いけどよく出来てるのでしょうか?

以上の作業を前後のヘッドで同じこと2回して今日はここまで。ピストン関係とロッカー関係は明日やって終わったらすぐ発送するのでもうしばらくお待ちください。


続いて48FLの配線やっていきます。

配線をフレームの中通したりするのでシートとタンクは外して各部保護します。

ここまできてスミマセンヤッチャイマシタ・・・なんてならないように気をつけます。

配線終わればいよいよやっとエンジン始動ですね!

スーサイド&ジョッキーシフト初体験でニヤニヤしながらもオロオロあせりながら練習走行するオーナー様を見るのが楽しみです。

イメージトレーニングはバッチリですか?


追記、然さんのショベル今のとこオイル漏れ大丈夫です。


和柄シルバーアクセサリー 【然】

10日土曜。

この日の仕事は2年ぐらい前に納車したショベルの点検修理。

和歌山からお疲れ様です。

和柄シルバーアクセサリー 【然】さん。
http://www.zen-silver.jp/

このショベルです。
こう見えて。。。恐ろしく速いです。

オーナーさんこれで峠攻めてはります。                                                               
懐かしいステッカー発見。

実はこのステッカー作ったのはもう16年も前。













プライマリーカバーには埼玉の泉総合芸術會こと泉氏のピンスト?レタリング?

和柄つながりで泉さんと然さんも知り合いだったってことで泉氏の了解を得てウチの工場に飾っていたこのプライマリーカバーを然さんにプレゼントいたしました。

【泉総合芸術會】
http://www.pinz.jp/

毎年1回、秋ごろにもしかしたら当店で泉氏のピンストデモ有りかも。




これまた懐かしいHOOLIGAN'Sのステッカー。

チョッパーハゲさんからお祝いに頂いたステッカー。

ハゲさん、今度は綴り間違えないでね。










当店で製作した車両(エンジン、ミッションまでオーバーホールした車両限定)は納車後1年点検なるものをサービスしております。

ほんまなら去年の8月頃でしたが・・・
長い間お待たせしてすみません。

とりあえず気になること、点検修理してほしいことをリストアップしてきてくださいとは言ったものの・・・

この内容を1日で!!!???

とは言え希望の点検を全て無料で行えるわけでは無いのでできる範囲で・・・


エンジン冷めるのを待っている間にまずキャブから点検

(注)通常は何か明らかに不調が無い限りバラしません。。。

オーナーさんからの希望でセッティングの見直しを(現状濃いかもとのこと。)

プラグ見た感じかなりベストな状態かと・・・

オーナーさんも納得の様子で結局バラして組み直しただけ。


フロートレベル点検。オーバーフローギリギリいっぱいでこちらも問題なし。














普段行ってる地元のショップで2次エア吸うてる言われたからと対策品のOリング持参のオーナー様。
点検してもインマニバラしても2次エア吸うてる気配無いような・・・。

でもせっかくなので対策品つけてあげましょう。

もともとこのヘッドとインマニの隙間をスペーサーでカバーして後期用バンドタイプにしてましたがOリングタイプつけるにはこの隙間はかなり痛い。

私的には前期のOリングタイプの方が好きですがそれはあくまでもヘッドとインマニがピッタリ合ってる状態前提。

ってことで隙間を埋めるべく旋盤で前期用スペーサー製作。















完成したスペーサーとオーナーさんの手。

こちらはヘッド側にはめ込む方。












こんな感じでヘッドにはめ込んで・・・

今回は金属パテで圧着。













隙間なくピッタリ。これなら安心して前期用Oリングタイプで大丈夫。














インマニをヘッドに組みつけて中からも段差、、隙間など無いかOリングがグニュっと押し潰されて中にはみ出てないかとか点検。

OKです。












プライマリー部を全てバラして、ミッションなどのオイル漏れ修理。

カバーつける前にプライマリーチェーンのアライメント見直し調整。











プッシュロッド、ロッカーアーム、タペット点検調整と希望されていましたが異常なければさすがにそこまでの点検はしておりません。

今回も何もバラさない予定でしたが私が個人的に確認点検したいことがあったのでカム周辺含めここまでバラす。









3年ぐらい前から実験始めたWPC&モリブデンショット加工。
http://www.ne-jp.com/wpc/

良い効果があるとは思いつつも実走行後にバラして点検してみないとその効果もどれほどのものかわかりません。








ブリーザーバルブ。

傷だらけに見えますがこれは傷ではなくモリブデンのコーティングが部分的に剥がれてるだけ。

ブリーザーホール。

ここは何も加工してませんが先のブリーザーバルブが入ってる部分。

全く持ってエンジン組んだときのまま。何の摩耗後も無し。

今回ここが一番驚いた。








その他何箇所か点検。1番確認したいのはピストン関連部分ですがさすがに何の異常も無い状態のをバラす気にはなれないです。

もともとWPCとモリブデンコートをテストやり始めたのは速く走るためとかそういうのではなく
各部シビアなクリアランスで組んだ時の初期慣らし中の過激なオーバーヒートを防いでベストな状態でアタリを出して調子よく長持ちするエンジンにするという目的でした。

今回の点検で何となくわかったことは・・・

多くのショップサンでもWPCやモリブデンコートをお客さんに勧めているという話聞きますが
これらの加工はあくまでもかなりきちんと組まれたエンジンでないとほとんど意味が無いということ。

加工施したから全てにおいて良いというわけでは無いということ。

その他いろいろ。

何でもまだまだ日々勉強ですねぇ・・・


その他アレコレできる範囲で点検終わらせました。


こちら同じ日に届いたショベルの腰上。

業者さまからのリビルトのご依頼です。

今まで業者さんからの修理依頼もよくありましたが基本全てお断りしていました。

が・・・

これからはこういう仕事も受けていこうかどうしようか検討中。

今回のはいつもウチがお世話になってる業者さまからの依頼(2回目)なので快くお受けしています。

とは言えかなり時間的に全く余裕無いのでこちらもショベル点検修理後にリビルト終わらせてから帰ろう思いましたが・・・力尽きて断念。









2012年3月9日金曜日

BIG SIGN

本日、若かりし頃の金欠栄養失調仲間、BIG SIGNこと澤田氏がかな~り久しぶりに登場。

【BIG SIGN】 http://bigsign.jp/

10周年&新店舗のお祝いにこんな素敵なプレゼント頂きました。

ありがとうございます。

どこに飾るか検討中。

ピストンとコンロッドが重すぎて壁に掛けたら落ちそうです。。。










塗装終わって完成間近の48FL。
本日はこの車両にペイントしてもらいます。

もう一台は残念ながら雨のため延期。

ロングフォークお断りのフーリガンズ。
最後の最後で鎖国開国した2台のうちの1台です。

長い間お待たせしてすみませんでした。あともう少々おまちください。






オーナー様と打ち合わせ終わって作業開始の澤田氏。


背後にはどこかで見たことあるような看板とドアが。。。










HOOLIGAN'S時代の看板。

これも澤田氏の作品です。

2002年作、懐かしいです・・・。

そういえば新店舗の看板いまだあらず。

今年中にはと製作依頼を誓う。






どこかで見たことあるドア。

これも澤田氏の作品。

その他、ウチのは何故かいつも12月31日作。











完成。

DESPERADOに何たらスカルにHOOLIGAN'S。

単語の意味だけ考えたらオーナー様はとんでもない荒くれ者かと・・・。

残念ながら私はピンスト、デザイン画、レタリング、カスタムペイント等、全くもってセンスなし知識無しなので興味ある方は上のURLから直接BIGSIGNにご相談お願い致します・・・

タンク裏にもドロー。

写真撮り忘れましてごめんなさい。



九州のU様、広島?岡山?兵庫?転勤多すぎのW様、東京のS様、
ブログでの作業報告もうしばらくお待ちください。

明日?から約半年間フランスへ修行に旅立つK様、
お体お気をつけて修行がんばってください。
帰国予定に合わせての作業完成がんばりますので異国の地より
進行状況などブログにてご確認お願いします。
















2012年3月7日水曜日

クランクバランス取り


本日午前中の作業はクランクのバランス取りです。

その前にコンロッドのピストンピンブッシュを専用工具使って抜き取り、新しいブッシュを圧入いたします。









交換したブッシュをピストンピンのサイズに合わせてリーマー加工したのちホーニングで仕上げます。

今回まとめて組んでるエンジンの中、画像の59FLと68FLHはノーマルよる若干太いピストンピン使用するので2種類のリーマーで加工しています。

*リーマーという工具はドリルで開けた穴やブッシュなどの穴をほんのわずか削りなおして正確なサイズに修正加工する物です。


次にフライホイールワッシャーを交換しておきます













もともとカシメが状態良いとこんな感じですっきり綺麗に交換できますが・・・












こんなカシメ方されてたら大変です。
何を思ってこんなカシメ方するのかわかりませんが・・・結構よく見ます。

私は基本的に点でのカシメいたしません。

しかもそんな多くカシメなくても大丈夫だと思いますが。。。

鋳物なのでカシメすぎるとクラック入って角がボロボロとれて行くので危険です。










カシメる時はワッシャーが浮かないようにしっかり固定しておいてかしめます。

画像ではポンチ先端がワッシャーの方に斜めむいてますがこの角度でのカシメは危険です。

直角より若干ワッシャーより外に斜めの角度でカシメます。

なんでそうするかはカシメられた部分がどういう風
になってカシメられるのかで想像にお任せします。

                                                                                ここからがクランクのバランス取りです。
バランス取りはいろんなやり方や考え方があると思いますが、私はS&S方式でやってます。

スタテックバランスとかいうんでしたっけ?
16年もこの仕事してるのに未だにいろんな専門用語が覚えられません・・・
コンロッドの測定はこんな感じで高さを合わせて     コンロッドの上端と下側をそれぞれ重量測定なのですが。。。まぁ正直アバウトな感じです。                          
写真撮り忘れましたが画像右上に移ってるS&Sの計算用紙に各部計測した数値を記入して計算して出た重量でダミーウエイトの重量を合わせます。











重量あわせたダミーウエイトと専用シャフトをフライホイールに組み付けて水平台の上に置きます。
どの位置で置いてもクランクが回らず止まったままになるよう穴開けたり穴埋めたりで何度も調整していきます。

画像の状態で回転が静止した場合は下の方が重いのでこの場合は上部に元々開けられている穴を埋めていきます。                 





穴埋めは鉄のシャフトを穴の深さに合わせて切削し圧入します。
3か所圧入してもまだクランクピン側が重いので穴埋め追加していきます。

溶接肉盛りで穴埋められてるのもよく見ますがあまり・・・です。

この59FLの場合、穴埋め6か所右横あたりに少し穴開けた状態でちょうどバランス取り完了です。もちろん反対側のフライホイールも同じダミーウエイトにて調整します。



穴開け加工やクランク軽量化など人それぞれいろんな考え方があるようなので何が正解かはわかりません。
高回転で速く走らせるために画像のような穴開けまくりの軽量化バランス取りされた車輌は修正が大変です・・・

あくまでも私の考え方ですが速く走らせるにしてもクランクの穴はできるだけ少なく重たいクランクで仕上げるのが理想です。
クランク軽くして高回転型エンジンに組んだつもりでスピード遅くなる・・・ということも。 トルク、パワー、その他、色んなトータルで考えましょう。
画像は1台分だけですがひたすらバランス取りして(バランス取りせず純正のままのもあります)洗浄後ずら~っと並べて明日まで乾かして置きます。











その他シャフトやベアリング等も洗浄して乾かして置きます。
新品のシャフトでもオイルライン等の穴加工された部分はひたすらごしごし洗浄しましょう。
パーツクリーナーとエアブローだけではとれない製作加工時の鉄粉等が結構あります。








こういうフライホイールに開けられたオイル通路もしっかりゴシゴシ洗浄しておきます。

鋳物なので結構頑固なスラッジが固着してたりです。



やっとひと段落して昼飯でもと思い外でぼけーっとしてたらウチの助っ人H田氏がまたしても会社脱走してサボりにきました・・・

コルベットは私も好きな車です。