2012年3月12日月曜日

ヘッドのりビルト

業者様からの修理依頼のショベルの腰上、
かなり急ぎとのことですがすみません、2日にわけて作業させていただきます。

とりあえず本日はヘッドのみ、2時間以内を目標に作業開始。

エンジンやミッションの修理でオーバーホールとりビルトというのをよく聞くと思いますが
当店では完全な状態での修理がオーバーホール。
バラして点検して必要最低限の修正で組みなおすのをりビルトと私が勝手に決めています。

りビルトは悪く言えば手抜き修理。
といってもわけのわからんショップさんが高い修理代で
完璧に組みましたみたいなオーバーホールよりまともだったりして・・・

まずはバラして点検。

バルブステム(溝があるとこ)が激しく痛んでいて4本ともバルブが抜けません・・・・

ハイカム組んでヘッドまできちんと加工できてない車両でよくある感じです。

今回できればガイドは交換無し前提なので無理に抜いてガイド痛めないようにステムのアカン部分削ってから抜きました。

バルブは交換ですね。。。


激しく歪んでしまっているヘッドを専用治具にセットして旋盤で面研いたします。

本来ここの面研はフライスで加工したいですがまぁ旋盤でも出来ないことはないです。

こういうのもやるのは簡単ですが固定してセットするまでが大変です。

どこを基準にして仕上がりが斜めにならないようにとか。

もちろんどんな状態であれこれで面研すれば面自体はきれいになりますが斜めに傾いて綺麗に仕上がっても意味無いです。

研磨完了。

これで激しくオイル漏れてたのは解消されるでしょう。

よくこういう加工を動画付でアップされてるショップさん多いですがめんどくさいので動画は勘弁してください。

いかにも「どうだすごいだろ」的なブログはあまり好きでないです。




加工後に斜めってないか点検。

いろんな方法でいろんなとこを点検。

とりあえず画像はこれだけですが・・・

もちろん前後のヘッドで同じようになるよう確認します。











この測定工具、買ったとき目盛りの数値間違えてしまいました。

一目盛りが1000分の1ミリ。
クランク芯出しの時にこれ使うとわけわからんくなってパニックなります。。。

こういうのは一目盛り100分の1ミリので充分です。






燃焼室内綺麗にしてから次はバルブシートの再生。シートカットっていうやつです。

まず基本となる部分の面を専用工具で綺麗にカット。











光明丹という物でバルブとシートのアタリ位置と幅を点検し・・・

角度の異なるシートカッターでアタリ位置と幅を整えます。

基本的に3つの角度で構成されているので3種類のシートカッター使います。

以前、先輩に教えてもらった某メーカーのシートカッターを早く買いたいですがまだまだ買えそうにありません・・・

20万円ぐらいでしたっけ・・・?

カット完了後あらためて光明丹にて確認。

やること簡単なんですが10年ぐらい前この加工練習し始めたころはなかなか上手くできず1個加工するのに何時間もかかってました・・・










次はバルブのすり合わせ。

ひたすらスリスリして

仕上げはバルブラッパーとかいう工具でラッピングしてアタリを出して完了。


この工具、もう14年ぐらい使ってますがなかなか丈夫ですねぇ・・・

やはり日本製は高いけどよく出来てるのでしょうか?

以上の作業を前後のヘッドで同じこと2回して今日はここまで。ピストン関係とロッカー関係は明日やって終わったらすぐ発送するのでもうしばらくお待ちください。


続いて48FLの配線やっていきます。

配線をフレームの中通したりするのでシートとタンクは外して各部保護します。

ここまできてスミマセンヤッチャイマシタ・・・なんてならないように気をつけます。

配線終わればいよいよやっとエンジン始動ですね!

スーサイド&ジョッキーシフト初体験でニヤニヤしながらもオロオロあせりながら練習走行するオーナー様を見るのが楽しみです。

イメージトレーニングはバッチリですか?


追記、然さんのショベル今のとこオイル漏れ大丈夫です。