56FLの作業途中報告です。
まずクランク左側、スプロケットベアリングの調整。
このベアリングはこのようにメーカーからの出荷時点できちんとベアリングとレースのクリアランス調整されていて絶対にこの組み合わせを変えるなと注意書きみたいなのがありますが・・・
ベアリングの調整はレースをケースに圧入してからこんな感じでベアリング、スペーサー仮組して確認調整しています。
明らかにガタ多すぎる出荷時のセット。。。
ベアリングとベアリングに挟まれているこのスペーサーの厚みで調整します。
出荷時のセットを組みかえるななんてそんなことは知ったこっちゃないです。
少しずつ厚み薄いので確認して適度なスペーサーを選定しておきました。
で、ヘッドのバルブ関連。
バルブガイド製作、入れ替え。
バルブシートカット、すり合わせ&ラッピングはだいぶ前に終わっていました。
各バルブステムの突き出し確認。
注)写真撮るためにノギスずれていますが実際はちゃんと真っ直ぐ測定しています。
続いてバルブスプリングのセット長測定し
セット長でのバルブスプリング圧を測定します。
ちなみに元々この56FLに組まれていたバルブスプリングは・・・
かなりハイテンションの硬~いバルブだったので全て交換いたしました。
硬いバルブスプリングは色んなトラブル引き起こす原因になると思うので嫌いです。
続いてオイルポンプです。
元々組まれていたオイルポンプは。。。
明らかに何かすんごい異物混入で激しく逝っちゃってます。
オイルポンプ外側のカバーに・・・
何か不具合引き起こしそうな人災的痕跡2つアリ・・・。
残念です。
オイルポンプシャフトとブッシュも新品に交換されてる感じですが・・・
ここも残念ながら要交換です。
この56FLは4,5年前に他店でオーバーホールされていましたがその当時から「次は頼むぞ」とオーナー様から依頼を受けていまして・・・
オイルポンプ、外品ロッカーアームASSY、カム、コンロッド等、前回のオーバーホール当時から要交換的な情報あったのでいつかウチでオーバーホールする時のためにと数年かけて少しずつ状態良い純正パーツ集めていました。
オイルポンプは右から2番目のがかなりグッドコンディションでこれに決定。
新車からほとんど走行されていないパンヘッドから外して置いておいた極上品です。
オイルポンプしっかり洗浄後、仮組して回転の点検。
かなり動きが渋いです・・・
新車からほとんど走行してないだけに。。。ギアやポンプボディにわずかにバリなどが残っていました。
こういうとこも・・・
何度も何度も組んで点検してバラして点検して必要最低限での加工をして何度も何度も各部目が取れそうなぐらい凝視して確認調整し。。。
気がつけばポンプ仮組調整だけで3時間半もかかってしまいました・・・
何をまた大袈裟に~って思われるかもしれませんが・・・
結構大変なんです。
動きが渋いからといっていきなりギアやボディに大幅な面研加工等はしません。
スカスカなって軽く回転するのでは意味が無いのでまずは動きが渋くなる原因をひたすら探して少しずつ少~しずつ加工していきます。
かなり疲れる作業ですが何とか軽くスムーズに回転できるようになりました~
うれし~。
そういえばヘッドは完成の予定でしたが。。。
1つ忘れていました。
用意してた純正ロッカーアームがサンドブラストで綺麗綺麗されていましたが・・・
何度洗浄しても内部に溜まったブラストの粉が取りきれないので製造時に圧入されてオイル通路を塞いでいるピンを取り除きコレで内部スッキリ綺麗に洗浄できましたが、改めてピン圧入等の作業がまだ残っていました・・・
サンドブラストの粉ってもの凄~~く徹底的に洗浄繰り返してもなかなか取りきれないので要注意ですよ。。。