2014年5月12日月曜日

75FLHのエンジン&ミッション


この75FLHも1月から作業してた分ですが同じく81FXも 83FXEも写真があまり撮れてなかったです。。。

すみません。
まずはお決まりのケースレース部、鉄の鋳込みにガタが無いかの点検から。

昨年はこの部分アウトな車両がすごく多く苦労しましたがこちらOKでした。
 カムカバーが付く面が歪んでいたので面研後、点検の図
 シリンダーデッキ面も同じく面研点検。
カムカバーも歪みがひどく面研致しました。

カバーに歪みがあるとカムブッシュやピニオンブッシュ入れ替えてラインリーマーしてもボルト締め付けるたびにセンター狂ってしまったりするので要注意。
きれいになりました。
クランクケース左右の合わせも修正加工しました。

ケースの合わせも歪みがあるとスタッドナット締めるたびにセンター狂ってしまうのでできる限りピタッと合うよう修正致します。

いくらクランクの芯出しやケースレースのセンター合わせラッピングをシビアに煮詰めてもケースの歪み修正していなかったら全て台無しになってしまう可能性があるので要注意です。
ケースの修正後ピニオンベアリングのレース入れ替え。
 いつも同じこと言ってますが・・・

JIMS製のレースは非常に硬く内径かなりアンダーサイズなので入れ替えたらラッピング大変です。
 順番おかしいですが。。。

スタッドとスタッド穴の状態が悪かったので修正致しました。
 この写真、あと何回か使いまわしそうですが。。。

フライホイールワッシャー交換。
 コンロッドのサイドスラスト点検。

いつも同じような写真ばかりで何がなんだかわからなくなってしまうのでこんな感じでマジックで大きくメモしとこ思いつつ・・・

すぐ忘れちゃいます。
 クランクピン交換、測定。


 ベアリングも測定。

コンロッドのベアリング不足は未だ解消されていません。。。




 コンロッドレースもラッピングして内径修正後クリアランス測定し仕上げます。

・・・

画像に移ってるクランクピン、たぶんS&S製っぽいのでこれは別の車両の写真でした・・・

すみません。

75FLHに使用したのはJIMS製のクランクピンです。
 クランクバランス取りもこの頃まとめて10台分くらいやってました。


 クランク芯出し前の点検。

芯出し・・・の写真は無かったです。
ヘッド、ロッカー周辺は点検のみの予定でしたが・・・

ロッカーアーム、1個状態悪かったのでストックしてる純正のに交換致しました。


 レフトケースのベアリングとシャフト仮組してスラスト点検・・・

と思いましたがこの写真は鋳込み部のガタ点検してる写真でした・・・

ケース温めるだけでなくプレスで固定してプラハンで軽く叩いてみたりしてガタが無いか点検しています。
 エンジン完成してしまってます。。。。

そしてエンジン始動した直後・・・

ミッションから大量にオイル漏れが・・・


 4THシール抜けてます。

しかもひどいことになってました。
 シール抜こうとしてこうなったのではなくシールを入れる時に真っすぐなってないまま無理やり叩きこまれたようです。

 しかしこのミッション、5年位前にうちでオーバーホールしたものですが何かおかしい。

このメインドライブギア、たぶんアンドリュース製ですね。

うちで組んだのは純正。

しかもメインドライブギア変形しててシールいれれないから加工すべくミッションをバラすことに・・・
 おぉ・・・

メインドライブギアのみならず全てのギアがアンドリュース製に変わってます。

豪華ですね~

でもシフターフォークのセンターがどちらも全く狂ってます・・・


・・・

よく見る光景ですがスプロケットのスペーサー部に液体パッキンてんこ盛り。

しかしスペーサーとシールの間にこれだけ液体パッキン盛る意味がわかりません。。。

この時気が付いたのですがこのミッション、手でメインシャフト回せないくらい重たいです。。。

何か嫌な予感が。。。
ギアなどは全てアンドリュース製に交換されてましたがこちらのメインシャフトベアリングぼっこぼこのひどい状態で再使用されていました・・・

ベアリング内部もガタガタのようでメインシャフトが横方向にガタガタ動いてしまってます。

メインシャフトもかなり摩耗ひどかったですがこちらもそのまま組まれておりました。
 ギアの周りが重たい原因は・・・

カウンターシャフトのベアリングが。。。

飛び出してます。
 で、サイドスラストのクリアランスきつ過ぎてワッシャー完全に焼き付いて変色変形してしまってます。
ちなみにこのミッション、他店で組まれてからまだ約半年、1000キロも走ってないとか。
で、組んだ人に直接聞いてみた。

ベアリング?走っててぬけてきたんじゃない?
とのことでした・・・。

ちなみにベアリング圧入部内径測定しましたがさすがアンドリュース、1/1000ミリの誤差があるかないかぐらい精度良く、ベアリングが抜け出てくるような感じは全くなかったですが・・・


上記のような感じで ケースに圧入されてるブッシュも焼き付いて何とケースえぐってブッシュごと回転してしまってたようです・・・

ブッシュ圧入穴がひどく変形してしまってて市販されてるオーバーサイズのブッシュでも常温でスポッと入っちゃいました・・・

外注機械加工では納車間に合わないということでうちでストックしてるケースに交換。
 各部点検後まずはメインドライブギアのベアリング交換から。

メインシャフト、メインドライブギアのブッシュも交換致しました。
 カウンターギア、サイドスラスト調整。
 カウンターシャフトもひどいことになってたので交換致しました。
シフターフォークもしっかりセンター調整。
そんなこんなでミッション完成。

メインドライブギア&スペーサー部、液体パッキンは使用しません。

そう言えばこの時、このミッションを組んだ方と電話で話してて物凄く暴言吐いてしまいましたが・・・

謝る気はありません。

ハーレーのミッションは簡単な構造なので簡単に組めるような気がしますがそれ故にいい加減に組むととんでもない事故につながる可能性もあるので適当に組むのはやめてください。